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舞台という場所は何でも起こりうる魔法の場所、山崎育三郎の艶やかな奮闘でミュージカル愛にあふれた人間賛歌に説得力…★劇評★【ミュージカル=トッツィー(2024)】

 苦し紛れの選択が人生を切り拓いてしまったら? それだけでも大変なのに、それを守るために次々といろんなことが起きて物事がややこしくなっていったら? 米国のコメディドラマの典型のような展開の大いなる金字塔と言えるのが1982年(日本では1983年)公開の映画『トッツィー(Tootsie)』である。ダスティン・ホフマンが女装して売れない役者とソープオペラのスターの間を行ったり来たりする物語の中には米国的なジョークや、今日のジェンダーにつながる味わい深いせりふも散らばっており、単なるおふざけではなく社会的な側面を持った映画だった。その『トッツィー』のミュージカル化にあたって、テレビドラマからミュージカルへと主人公が輝く場所を少し入れ替え、ミュージカルというものに対するリスペクトとオマージュをたっぷりと含んで、舞台という場所は何でも起こりうる魔法の場所なのだという、ミュージカル愛にあふれた人間賛歌に昇華させた。主人公ドロシーに扮した山崎育三郎の艶やかな奮闘もあって、日本初演は説得力のある出来上がり。周囲に配された役者たちの役へのはまりぶりも上々で、快調なスタートとなった。(写真はミュージカル「トッツィー」)とは関係ありません。単なるブロードウェイのイメージです)
 
 ミュージカル「トッツィー」は、2024年1月10~30日に東京・日比谷の日生劇場で、2月5~19日に大阪市の梅田芸術劇場メインホールで、2月24日~3月3日に名古屋市の御園座で、3月8~24日に福岡市の博多座で、3月29~30日に岡山市の岡山芸術創造劇場 ハレノワ 大劇場で上演される。
 
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 なお今回のミュージカル「トッツィー」はドロシーに惚れてしまうマックス・ヴァン・ホーン役がWキャストであるため、2種類の組み合わせが組まれていますが、劇評を掲載するのはミュージカル「トッツィー(おばたのお兄さん出演回)(2023)」だけに限らせていただきます。人気公演ゆえ、取材機会に限りがございます。ご容赦ください。このため劇評が掲載できない岡田亮輔さんのファンや関係者の方には大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。また別の機会に採り上げさせていただければ幸いです。ご了承ください。
 
★ミュージカル「トッツィー」公式サイト

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