阪 清和 (Kiyokazu Saka)
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観客の記憶に刻み付けようと奮闘する俳優たち、命を燃やし尽くすことで永遠の命を得るコウイチ、誰も置き去りにせずその儀式に付き合わせてくれた「Endless SHOCK」に感謝の気持ちを捧げよう…★劇評★【ミュージカル=Endless SHOCK 帝劇ラスト(上田竜也・綺咲愛里・前田美波里出演回)(2024)】
2024年4月にミュージカル「Endless SHOCK」が東京・丸の内の帝国劇場で始まった時、秋に最後の公演としてここ帝劇に戻ってくるステージを自分がどんな思いで見つめているのか、想像ができなかった。観劇したり取材したりできる機会があるのかどうかもまだ分からなかったし、最後の「Endless SHOCK」だということをどれだけ真摯に感じて見ているのかがあいまいにしか分かっていなかったからだ。しかし、こうして堂本光一や仲間たちがその世界を懸命に生きているのを見て、心の昂ぶり
心の中のざわざわを抱えたまま日々を生きる人々。危なっかしい、なのに誰もが何だか愛おしい…★劇評★【舞台=台風23号(2024)】
どんどんこっちに向かってきているはずなのに、いっこうに近付いてこない気がする。だけど、確実にそこにある不安。台風接近のときの気持ちは、なんだか人生を生きている私たちの心情に似すぎていて時々怖くなる。赤堀雅秋が2024年の世に問うた最新作「台風23号」は人々の心の中にあるざわざわが吹き出しそうになるのを必死でこらえながら、日々を生きている人々を描いていて、胸を締め付ける。危なっかしい、なのに誰もが何だか愛おしい。何なんだ赤堀戯曲。心が引き寄せられてたまらない。台風というタイト
¥300〜【反響速報=「ナイツ・テイル ―騎士物語― 2021」劇評が「note」での初めての「高評価」をいただきました(2024)】
わたくし阪清和が運営しているエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」で発表している劇評や映画評の完全版を有料(リポートやニュース記事は無料です)公開する場所として活用しているクリエイターの作品発表型SNS「note」(会員数500万人、月間アクティブユーザー=閲覧者=6300万人)で2021年10月14日に投稿した堂本光一と井上芳雄という帝劇の2大ミュージカルスターの共演ミュージカル「ナイツ・テイル ―騎士物語―」2021年再演公演の劇評に2024年11月5日、
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【活動報告】 時代の「ざわざわ」を鋭く描き出してきた劇作家・演出家、赤堀雅秋とその最新作について書きました、フェローズ「Creators Eye」連載第70回(2024)
クリエイティブワークに特化した人材&仕事紹介サービス会社「フェローズ」が運営する総合情報サイト「クリエイターズステーション」の「Creators Eye」で私が受け持っている連載の第70回(2024年11月1日掲載)は、小劇場界で頭角を現し、2014年からは演劇の殿堂シアターコクーンでもコンスタントに作品を発表し続けている劇作家・演出家・俳優で映画監督・脚本家としても活躍する赤堀優雅秋さんとその最新作「台風23号」(現在はシアターコクーンが休館中のため、その期間の代替劇場に
(画像は作品と無関係です)心の奥の真意や心情と深く結びつく渡辺翔太・森本慎太郎の演技、堂本光一の演出の意図を深く理解…★劇評★【ミュージカル=DREAM BOYS(2024)】
男の友情って難しい。例えば、突き放したり、突然相手の前から姿を消したりしたとしても、それは相手への思いやりのためだったりするからだ。だから、劇場を埋めた女性の人たちが男たちのかっこよさに酔っている時、男性の観客は切なくてたまらない。どうしてもかっこを付けてしまう、自分がすべての責任を引き受けてしまえば、だれも傷つけないで済むと思ってしまう。それが男として痛いほど分かるからこそ、「無理すんなよ」「しんどいほうに行くなよ」と言って、舞台上の彼らを助けてやりたくなる。毎年、ミュー
¥100【反響速報】 livedoorブログランキング映画部門(サイト数1万強)で5日ぶりにベスト5圏内の4位に復帰(2024)
国内のブログサービスでも運営者数がトップグループ(執筆者16万人、ブログ数669万サイト、閲覧者7000万人、うち愛読者2400万人=現在公式発表が途絶えていますので、すべて発表数字からの推計)のlivedoorブログ上で配信している当ブログ「SEVEN HEARTS」が一昨日2024年10月28日、livedoorブログランキングの映画部門(ブログ数10697)で4位となりました。映画部門でベスト5圏内になったのは今月10月23日以来約5日ぶりです。また映画部門を含む芸能
【活動報告】 造形作家でもある劇作家・演出家の池田亮について書きました、フェローズ「Creators Eye」連載第69回(2024)
クリエイティブワークに特化した人材&仕事紹介サービス会社「フェローズ」が運営する総合情報サイト「クリエイターズステーション」の「Creators Eye」で私が受け持っている連載の第69回(2024年10月3日掲載)は、東京藝大大学院を修了し、造形作家としての活動もしている劇作家・演出家の池田亮が、第68回岸田國士戯曲賞受賞後初の書き下ろし作として、ガチャガチャマシーンをコンセプトにしたアート作品を創った現代アーティストを主人公にした舞台「球体の球体 Sphere of S
多層的な意味合いの光を乱反射のように拡散させながら、らせんのように観客の心に深く刻み込まれていく問題作…★劇評★【舞台=球体の球体 Sphere of Sphere(2024)】
子どものころから、中に何が入っているのか分からない福袋が嫌いだった。いまは中身が予告されている福袋もあるので、そういう嫌われ方をされることはあまりないのかもしれない。同じように、ガチャ(カプセルトイ)にもあまり触手が伸びなかった。ハンドルを回して落ちてきたカプセルを開けてみるまでは中身の商品が分からないシステムが子ども心にも納得がいかなかったからだ。ガチャはやがて巨大なブームとなり、転じて「自分では選べない」ことの象徴として、親ガチャ、配属ガチャ、顔ガチャなどの転用系の派生
¥200〜官能的で神秘的な何ものにもかえがたい濃密な時間。どこまでも研ぎ澄まされていく文学的純粋に陶酔にも似た感情に包まれる衝撃的な傑作…★劇評★【ミュージカル=ファンレター(2024)】
ネットで文章を書き込んだことがある人なら誰でも、自分の文章が読む人に思いもかけない影響を与えることがあることを知っているだろう。私ももう20年以上前に、ネット上で知り合ったある人の相談に乗っている時に「こんなふうに決断してみたら」と書いたら、その人が私のアドバイスに従って1週間後に人生最大の決断をしてハワイに旅立ってしまったことがある。「あなたの言葉が決め手でした」と去り際に言われてドキリとしたものだが、その人にとってそれは決して不幸せな決断ではなかったことを今は知っている
¥300〜【News=速報】 モーツァルトの未発表曲発見されザルツブルクで初演奏、10代前半作曲の「ガンツ・クライネ・ナハトムジーク」(2024)
18世紀に活躍したオーストリアの作曲家、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)が、神童と呼ばれていた10代前半に作曲したと思われる未発表の7つの小楽章から成る弦楽三重奏曲の楽譜がドイツの図書館で発見されたことが分かった。研究者らがライプチヒ市立図書館(Leipzig Municipal Libraries)の声明として、ドイツ時間2024年9月19日に発表したとAFPなど欧米のメディアが報じた。1760年代半ばから後半にか
京本大我の真摯な演技は、変わりゆく時代のはざまに生きる若者の気概と苦悩、そして自由を求めた変革者の輝きを表現して余りある…★劇評★【ミュージカル=モーツァルト!(京本大我・香寿たつき・白石ひまり出演回)(2024)】
神童と呼ばれた人物はどんな時代にもいた。3歳にして漢詩をそらんじることができたとか、小学校にも上がらない子なのにドリブル突破の非凡さで欧州の名門クラブのジュニアチームからスカウトがあったとかなかったとか、時代や洋の東西を問わずその例には事欠かない。だが、残酷なことに神童が大成する保証はどこにもない。しかも、大人になったら才能や技術のレベルが上がっていないと、ただのうまい人だ。人類の歴史の中で神童と呼ばれた代表格のようなモーツァルトは実に特異な少年時代を送っている。父レオポル
¥300〜