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表現力豊かなミュージカルで導き出された新しい感情と視点…★劇評★【ミュージカル=東京ラブストーリー(柿澤勇人・笹本玲奈・廣瀬友祐・夢咲ねね<空キャスト>バージョン)(2022)】

 今ならリカの気持ちが分かる。柴門ふみが1988年から雑誌で連載し、1991年にはテレビドラマ化されて、歴史的大ヒットとなった「東京ラブストーリー」がミュージカルになって2022年の日本に戻って来た。あの頃は恋にもビジネスにもあけすけで合理的なリカに、トレンディードラマの男性主人公の権化のような優柔不断のカンチがふりまわされているだけのようにも見えていた構図が表現力豊かなミュージカルではその時々の感情が鮮やかに描き出され、思ってもみなかったような新しい視点でこの物語を見ることができる。リカの唐突な感情の発露もその裏にある冷え切った部分も、三上のむなしさや関口の迷路のような思いも、そしてカンチの一番心の底にある寂しささえも私たちの前に連れてくる良質な作品に仕上がっていた。(写真はミュージカル「東京ラブストーリー」とは関係ありません。単なるイメージです)
 
 ミュージカル「東京ラブストーリー」は、2022年12月23~29日に京都市のロームシアター京都メインシアターで上演される。それに先立ち、11月23日~12月18日に東京・渋谷のシアターコクーンで上演された東京公演はすべて終了しています。
 
★序文は阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも無料でお読みいただけます。舞台写真はブログにのみ掲載しています

★無料のブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はクリエイターのための作品発表型SNS「阪 清和note」で有料(300円)公開しています。なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。柿澤勇人さん、笹本玲奈さん、廣瀬友祐さん、夢咲ねねさんら俳優陣の演技に関する批評や、豊田めぐみさんの演出や舞台表現に対する評価などが掲載されています。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無条件に無料でお読みいただけるサービスは原則として2018年4月7日をもって終了いたしました。「有料化お知らせ記事」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

 なお、主要な役柄である永尾完治、赤名リカ、三上健一、関口さとみの4人がダブルキャストで、それぞれ固定した組み合わせの2種類のバージョンが存在しますが、取材機会の関係で劇評を掲載するのは、東京ラブストーリー(柿澤勇人・笹本玲奈・廣瀬友祐・夢咲ねね<空キャスト>バージョン)に限らせていただきます。ご了承ください。
 この組み合わせではカバーできないもう一つのバージョン(海キャスト)に出演されている濱田龍臣さん、唯月ふうかさん、増子敦貴さん、熊谷彩春さんのファンや関係者の皆さま方には大変心苦しく感じております。人気公演のため取材機会も限られます。なにとぞご容赦ください。
 
 ただし、舞台写真はホリプロさんのご協力を得て、両キャストの写真を掲載いたします。文章内では海キャストには言及いたしませんが、写真でお楽しみください。
 
 はじめの10枚は【空キャスト】(柿澤勇人、笹本玲奈、廣瀬友祐、夢咲ねね)バージョンの舞台写真です。
 
★ミュージカル「東京ラブストーリー」公演情報=東京公演と大阪公演はすべて終了しています。

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