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子どもと大人に精神的な隔たりがない世界で、人が人を想うシンプルな気持ちを複層的に楽しめる極上の仕上がり…★劇評★【ミュージカル=アナと雪の女王(2021)】

 「鬼滅の刃」も「アナと雪の女王」も最初に人気に火をつけたのは小学生、つまり子どもたちだ。漫画やアニメーションという子どもと親和性の高いインターフェイスを持っていた作品だから当然と言えば当然なのだが、そこには、魂の誇りや多様性・個性の尊重という現代社会が求める高度な哲学性が横たわり、大人たちが虜になるのに大きな力となったことはよく知られている。子どもたちも、単に活劇としての面白さだけではなく、そうした深遠なテーマに早くから気付いていた節があり、これらの作品はまさしく「大人と子どもが同じ価値観と言葉を共有しながら観る作品」だったのである。世界的なアニメ映画版の大ヒットを受けての米国でのミュージカル初演からわずか3年(コロナ禍がなければ2年)で実現した劇団四季の日本人キャスト版ミュージカル「アナと雪の女王」には、そんな子どもと大人に精神的な隔たりがない世界で、人が人を想うシンプルな気持ちを複層的に楽しめる極上の仕上がりが確認できた。(画像はミュージカル「アナと雪の女王」とは関係ありません。イメージです)
 ミュージカル「アナと雪の女王」は、6月24日から東京・竹芝のJR東日本四季劇場[春]でロングラン上演されている。チケットは今年2021年12月31日分まで発売中。
 来年2022年1月1日~6月30日分のチケットは今年7月4日から一般発売が開始される予定(四季の会会員先行予約は6月27日に開始済み)。

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