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チェーホフ劇のような人生の情感と悲哀漂う空間の中に上質な時間が流れる稀有な一作に…★劇評★【舞台=骨と軽蔑(2024)】

 さらさらと毎日が流れていくようなさりげなさの中で個々の登場人物が抱えているものがそれなりに深刻で、逆に彼らがそれにこだわればこだわるほど滑稽に見えてくる。やがて最初はあまり気にしていなかった物語の外枠がぎりぎりと彼らと、そして私たちを締め上げてくる。なのに、登場人物たちはたくましく、しかしどこかしなやかに生きている…。劇作家、演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)の名作戯曲を気鋭の演出家が演出してきた「KERA CROSS」シリーズのラスト公演はなんとKERA自身が描き下ろし、自ら演出するという特別なプレゼントのような公演になった。舞台「骨と軽蔑」は宮沢りえ、鈴木杏、犬山イヌコ、堀内敬子、水川あさみ、峯村リエ、小池栄子というこれまで舞台や映画、ドラマで主演か主役級の役柄を張ってきた女優たちが、演技という楽器でジャズのアドリブを競い合うセッションのような趣きもあり(実際にはアドリブではないが…)、チェーホフ劇のような人生の情感と悲哀を謳う空間の中に上質な時間が流れる稀有な一作となった。(写真は舞台「骨と軽蔑」とは関係ありません。単なるイメージです)。

 舞台「骨と軽蔑」は2024年2月23日~3月23日に東京・日比谷のシアタークリエで、3月27~31日に福岡市の博多座で、4月4~7日に大阪市のサンケイホールで上演される。
 
★序文は阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも無料でお読みいただけます。舞台写真はブログでのみ公開いたします。

★無料のブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含めた劇評の全体像は通常はクリエイターのための作品発表型SNS「阪 清和note」で有料(300円)公開しています。なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。宮沢りえさん、鈴木杏さん、犬山イヌコさん、堀内敬子さん、水川あさみさん、峯村リエさん、小池栄子さんといった俳優陣の演技についての批評、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの戯曲・演出・舞台表現に対する評価などが掲載されています。場合によっては、特定のスタッフワークについて言及することもあります。

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★舞台「骨と軽蔑」公式サイト

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