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オンライン×オーダーメイドで目指す、商いの原点

完成形が見えない。手に入るまで数カ月かかる。オーダーメイドという体験が、ワンクリックで翌日にはモノが手に入る時代に持つ意味合いとは?
私がオーダーメイドを通じて願う、売り手と買い手が対等な喜びを手に入れる商いの原点について。

現代と逆行するけれど

アマゾンのブックレビューを投稿しようとして、書き込める条件が「アマゾン年間利用5,000円以上」であることを初めて知り、そして、書き込めませんでした。そんなオンラインショッピングから距離ある生活をしている私が、オンラインで、しかもオーダーメイドによる商品展開をしていきたいと考えています。
オーダーメイドというと、現代の買い物を象徴する「手軽さ」や「スピード感」とは逆行する存在です。それなのに、オンラインと相性がよいのではという直感を信じ、さらには、オーダーメイドはこれからの消費活動において貴重な体験の場として重要な役割を果たすとまで考えています。
今回はその理由を探ってみたいと思います。

「デメリット」は時と共に「当たり前」に

「手軽さ」や「スピード感」などオーダーメイドの不利な状況は、オンラインショッピングの発達によって生まれました。しかし、俯瞰してみると意外と逆転の可能性が見えてきます。

オンラインショッピング(現物購入)とオーダーメイドの類似点
【手軽】今ココで注文できる(オンラインの恩恵)
【時間】注文~受取まで、必ずタイムラグが発生する(早いか遅いかの差)
【実物】手に取れない

オフラインでの即物入手と比べデメリットである【時間がかかる】【実物確認不可】は、オンラインでは、もはや当たり前です。つまり、オーダーメイドの不利な状況も気持ち的に緩和されてきていると思うのです。

オーダーメイドの場合、ありがたいことに時間をかけてつくることに価値を見出してくださる方も多くいらっしゃり、目的の日までにお届けすることで大きなデメリットにはなりません。ここでは、早さは敵ではなく、武器になりえます。

実物を手に取れないことによる受取前後での印象のズレは、オーダーメイドにとっても致命的です。
私が提供するフルオーダーメイドのアクセサリーの場合、実物の写真どころか完成イメージ図も初めに見せることができません。
そこで様々なオンラインショップが育んできた工夫(大量の写真や補足説明)を応用し、過去の作品画像や丁寧なヒアリングなどで対応しています。全体のイメージ共有ができれば細部は他と(写真と)違ってこそ価値となることがオーダーメイドの特権だと感じています。

このようにオーダーメイドとオンラインには重なる部分が多くあります。しかし私が、今後オーダーメイドが貴重な体験を担うと考えている理由は、両者の「異なる」点にあります。

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原始的な魅力が価値になる

オンラインショッピングには通常存在せず、オーダーメイドにはマストな要素。
それは「やりとり」です。
「お買い上げありがとうございます」だけでは済まず、お互いの価値をすり合わせるようなやりとりはオフラインでも貴重な体験になってしまいました。「もう少しこうだったらいいのに」と思ってもつくり手と接触する機会はほとんどなく、既成品に対して自分の意見や疑問を抱くこと自体が少ない現代において、やりとりを通じて納得いく買い物ができるオーダーメイドは、原始的な喜びを生み、心を豊かにする体験になると考えています。

健全な関係を築きたい

オンラインで日々発展する丁寧な商品説明などから、売り手の誠意を感じます。
けれども本来の商いとは決して一方通行ではなかったはずです。お客様自身がお金を払う対価として、喜びを得るための意思表示ができる方が健全な関係なのではないかと思うのです。
私はこれをオーダーメイドでやっていきたい。
お客様座談会などでのヒアリングや御用聞きではなく、売買が約束された関係だからこそ対等な関係になれるはずです。意見を交わしあい、一緒により良いモノづくりを目指し、共に喜ぶ、そんなオーダーメイドという仕事に私はとても魅力を感じています。

早く体制や仕組みを整えてお知らせしたいです。頑張ります!

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瀬戸 望 / 装心具ブランド「ソワ」
身に纏う喜びだけでなく、心の装いとしての装心具ブランド「ソワ」を営んでいます。 https://www.instagram.com/sower_setonozomi/ いただいたサポートはnote内で循環し、心豊かなnote循環を生めたらいいなと。よろしくお願いします!