若い人がしっかりしているように思えるのはなぜか
この数週間の間に、複数の企業で2021年新卒入社の方を取材する機会がありました。ストレートで大学を卒業した場合の生年月日は1998年4月2日〜1999年4月1日、現在の年齢は25〜26歳ということになります。
1998年は私が大学に入った年で、その年に生まれた方との年齢差は19歳です。一方、2011年に生まれたうちの長女とは13歳しか違いません。それほど年が離れているわけですが、お話を伺っているとしばしば驚かされます。自分が25〜26歳の頃よりはるかにしっかりしているからです。
私が20代半ばの頃は、学習塾の非常勤講師として働いていました。真面目にやってはいましたが、編集・ライターを志望していたので、やりたい仕事に就くまでの仮住まいという位置づけだったのは間違いありません。ゆえに、自分がここでいかにして成長していくかというようなことは、ほとんど考えていませんでした。
一方、若い人たちの多くは自分の未来についてしっかりしたビジョンがあり、それを意識して日々を過ごしているように見えます。採用サイトで紹介する若手社員として選ばれるのだから、社内の評価が高く離職の心配がない方々なのでしょうが、それにしても偉いものだと思います。仕事に対する意識が昔の自分とはまるで違います。
自分が未熟だったと言えばそれまでですが、世代による格差もゼロではないように思います。今回の取材の中で3人の方に獲得した内定の数を伺ったのですが、皆さん複数でした。すなわち自分で考え抜いて選んだ会社に入ったわけで、当然その過程では将来のキャリアについて考えたはずです。
それに対し、我々就職氷河期世代は内定を1つ得るのも大変でした。入りたいと思わなくてもエントリーして、選択の余地なく入社するのが当たり前だったように思います。若者を成長させる環境としてどちらが好ましいかは言うまでもないでしょう。
私が今の彼らと同等の意識を持つようになったのは、30代半ばくらいだったように思います。氷河期の影響はあったにしてもずいぶん遅い気がしますが、今から反省しても過去を変えることはできません。大器晩成という言葉は俺のためにあるんだと思って、若い人に負けないように頑張っていきたいものです。