読書記録 2023年4~6月に読んだ本
こんにちは、せ→る→です。
今回は、4~6月に読了した本の紹介と感想を書いていきます。
◇登場人物は太字(ルビ振りが上手に機能しなかった…ので、カッコ書きしています)
◇あらすじ程度のネタバレあり
「体育館の殺人」青崎有吾
すごく面白かった~!分厚いなぁ…と思いながら読み始めましたが、テンポ良く進むのであっという間でした。
第22回鮎川哲也賞を受賞した作品で、学校を舞台にしたミステリ。
体育館の舞台に死体が…!?卓球部員の柚乃(ゆの)は、そこに居合わせてしまう。卓球部の部長である佐川奈緒(さがわなお)が容疑者にされ、柚乃は試験で満点をとった裏染天馬(うらぞめてんま)に助けを求める。
探偵ポジションとなる天馬はアニメオタク。ツッコミにアニメネタが盛り込まれていて、より楽しかったです。(わからないネタもありましたが)
「店長がバカすぎて」早見和真
なんといいますか…すごく合わなかった(笑)好みではなかったです。書店が舞台、店長がポンコツ。題材は好きなんですけど、主人公が最後まで好きになれませんでした。
ことあるごとに「こんな店辞めてやる!」と叫んでいるので、「いい加減辞めれば?」と思ってしまうのです…(汗)
下記の引用の通り、私には合わなかったです。
「夏休みの空欄探し」似鳥鶏
夏休み、主人公の成田頼信(なりたらいしん)は、ファストフード店で隣に座っていた姉妹の立原雨音(たちはらあまね)と 七輝(ななき)が暗号を解いているのを目にする。悩んでいる二人に対し、頼信がさりげなく答えを教え、姉妹との不思議な交流が始まる。
途中、クラスメイトの成田清春(なりたきよはる)も加わり、暗号解きの旅に出るというストーリー。
謎解き好きは、彼らと一緒に解くのを楽しめるんだろうなぁと思いました。私はどれも分かりませんでしたけど(笑)たくさんの謎が登場するので存分に楽しめること間違いなしです。
そんなミステリ展開でありながら、ひょんなことから始まった四人の交流がとても青春していて好きです。特に、頼信と清春はクラスではグループが違ってほとんど話したことがないという。
自分が苦手だと思っていたり価値観が違うと思っていたりするグループですが、一対一で話してみると意外とノリがあったり心地良かったりします。
あとあと、暗号を解きながら色々なところを旅するのもわくわくさせられました!面白かったです。
「レンタルフレンド」青木祐子
面白かったです!
主人公・星野七実(ほしのななみ)は、レンタルフレンドの仕事をしている。依頼人の要望に合わせて、遊びに出かけたり披露宴に出席したり。第一話では大学生の村本香住(むらもとかすみ)とケーキを食べるお仕事。
文字にするとあれですね、ケーキを食べるお仕事、すごく楽しそう(笑)
七実はその日だけの友達であろうとも、依頼人に良い時間を過ごしてもらうため、様々な努力をする。本を読んだりテレビをチェックしたり美術館に行ったり、どんな話題にもついていけるように。
自分の仕事に誇りを持っている七実がすごくかっこよかったです。そういう仕事をしているだけあって、周りをよく見ているし、さりげないフォローもできるし、素敵でした。
「春夏秋冬代行者 春の舞」暁佳奈
春夏秋冬、それぞれの季節を顕現させる能力を持った者を”四季の代行者”と呼ぶ。10年前に誘拐された春の代行者・花葉雛菊(かようひなぎく)が帰って来たが、また代行者を狙う集団が現れる…という感じの物語。
言葉遣いを荒く言うと、まじでめちゃくちゃくそ面白かったです。表紙の雰囲気から、てっきり和風ファンタジーだとばかり思っていたのですが、携帯やネットが普通に登場するので舞台は現代らしい。
もうね、すごく良かったのです。何が良いって、春夏秋冬それぞれの主従。どの代行者もどの護衛官もキャラが本当に素敵。みんな好き。最高。互いを愛し、信頼し、敬い、支える主従関係が素晴らしすぎて、こういう関係性のやつが読みたかったのよ!となりました。
しんどい展開もほのぼのしたやりとりもどのシーンにも心動かされて感情が大忙しでした。視点や場面、時間が目まぐるしく変わりますが、物語に没入しすぎて全然気になりません。
結構なページ数あるのに今までにないくらいの早さで読了してしまい、自分でも驚いています。それくらい面白かったです。
「残心」我孫子武丸
「凜の弦音」の続編です。今作では先輩たちが卒業し、主人公の篠崎凜(しのざきりん)が部長になっています。前作は弓道に絡めた事件を解くミステリ作品でしたが、今作はミステリ要素は薄めで、弓との向き合い方や進路について悩む姿が描かれています。
ミステリを期待して読み始めたら全然事件起きなくて拍子抜けでした(笑)
答えのないことに関して、ぐだぐだ悩む凜が少し面倒くさく感じてしまうこともありましたが、弓が大好きな凜が私はとても好きです。
「部長会議はじまります」吉野万理子
吉野さんの作品は今回で読むのが3作目。吉野さんの文章はすごく読みやすくて、すーっと入ってきます。
文化祭のために美術部が作ったジオラマが誰かに壊されたことをきっかけに、臨時の部長会議が開かれ、犯人探しをすることになる話が前編。第二体育室の取り壊しが決まり、運動部の部活日程を考え直す話が後編。
12人のキャラクターたちの視点で描かれるので、それぞれの考えがわかって面白かったです。特に美術部部長の藤本(ふじもと)くんはオカルト研究部部長の相楽(さがら)さんのことが気になっているけど、相楽さんは藤本くんのことが嫌いだったり。ちょっと笑っちゃいました。
後編の運動部の方は、共感するところもあって楽しかったです。体育館を使う部活の日程って大変ですよね…一面使える日と半分ずつ共有する日と。ボールが他の部活のスペースに、あっちこっち飛んでいってたなぁと懐かしくなりました。
「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」町田そのこ
町田さんのデビュー作。連作短編集で5作収録されています。私は4話の「溺れるスイミー」が一番好きです。
主人公・唯子(ゆいこ)の父は、何度も家を出てなかなか帰ってこない人で、同じところに留まっていられないらしい。唯子も同じような気持ちを持っていて、この町から出たいと思っている。
唯子が出会った宇崎(うざき)という男性も似た感情を持っていた。
一つ目が宇崎、二つ目が唯子のセリフです。なんとなくわかる気がします。ここではないどこかへ行きたいという気持ちは結構多くの人が感じたことあるんじゃないかな、と思います。
衝動に駆られるままどこかへ行くか、今いる場所での呼吸の仕方を覚えるか。登場人物たちが悩み、それぞれが出した答えにグッときます。面白かったです。
以上、8作品合計9冊の感想を書いていきました。1~3月は17冊だったので、今回はちょっと少なめですね…
今年も残り半年なので、たくさん読みたいです。夏は文庫フェアもありますし!