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読書感想まとめ

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#ファンタジー

きっと二度目が読みたくなる青春小説

こんにちは、せ→る→です。 今日は、第六回ポプラ社小説新人賞を受賞した虻川枕さんの「パドルの子」の感想を書いていこうと思います。 ※ネタバレなし 著者:虻川枕 装丁:川谷康久 装画:Ilya Kuvshinov 出版社:ポプラ社 (敬称略) 「ぼく」=水野耕太郎はある日屋上で”大きな水たまり”を見つけ、そこで”泳いでいる”同級生の水原に会います。 その”大きな水たまり”は、水野の気づかないところで世界を変えていたのです。 * 表紙の美しさに引かれて手に取りました

読書感想10 「ユア・フォルマ」菊石まれほ

こんにちは、せ→る→です。 今日は、菊石まれほさんの「ユア・フォルマ 電策官エチカと機械仕掛けの相棒」のレビューをしたいと思います!この作品は、第27回電撃小説大賞”大賞”を受賞しました。公式サイトやYouTubeには花澤香菜さんと小野賢章さんが演じたpvも公開されています。(ご夫婦の共演…!!!) ちなみに、私の脳内ボイスは佐倉綾音さんと櫻井孝宏さんです。 【あらすじ】 脳の縫い糸――通称〈ユア・フォルマ〉ウイルス性脳炎の流行から人々を救った医療技術は、日常に不可欠な

読書感想6 「図書室の神様たち」櫻いいよ

こんにちは、せ→る→です。 今日は、櫻いいよさんの「図書室の神様たち」のレビューをしたいと思います! <あらすじ>家に帰りたくない爽風が、放課後足を踏み入れた学校の古い図書館。そこで爽風は見知らぬ男子生徒、笹木誠と出会う。「この世界の神様になりたい」とつぶやく誠の顔には誰かに付けられたらしい青痣が。その理由を聞けないまま、2人はたびたび会い、心を交わすようになる。 すごく良かったです。主人公爽風の幼馴染である真由子が、クラスや生徒会の人たちからの嫌がらせに屈していない姿

読書感想5 「仕掛け絵本の少女」堀川アサコ

こんにちは、せ→る→です。 今回は、堀川アサコさんの「仕掛け絵本の少女」のレビューを書きたいと思います!ここまで読書感想を4つ投稿しましたが、どれも表紙が好きで手に取りました。表紙は重要(。-`ω-) <あらすじ>女子中学生の小寺音々は、一学期の終わりの日曜日、近所の神社で開かれていたフリーマーケットで、うっかりお目当ての本と間違えて、一冊の古い絵本を買ってしまった。タイトルは『仕掛け絵本の少女カイ』。しかもこの本、古書店に売り払っても学校の本棚に置いて帰っても、必ず音々

読書感想3 「裏世界旅行」二宮敦人

ありきたりなレビューしか書けないことが悩み。 こんにちは、せ→る→です。 レビューを読むのが好きで、本を買うときや読み終わったときはアマゾンなどでレビューを読むのですが、どれも目の付け所がすごくて感嘆しています。レビューを読むと、「この人は最後のシーン気に入らなかったんだな」とか「あそこからそういう風に考察したのか」「私と同じところが印象に残ったのか」など色々な発見があってとても面白いです。 **************************************

読書感想2 「もうひとつの命」入間人間

こんにちは、せ→る→です。 本日は、入間人間さんの『もうひとつの命』の読書感想を書きたいと思います! <あらすじ>その夏、彼らは罪を背負い、ひとつの願いを叶える。 あの頃の僕らはまだたくさんの高いものに世界を囲まれて、息苦しさを覚えていた。自由に走り回っているようで、ふと気づくと自分がどこにも行けないような気がして焦り、苛立ち、空を仰いでいた。僕たちが『魔女』に出会ったのは、そんなときだった。 あれから十年、学校の屋上から落ちて死んだはずの稲村が突然生き返った。思い返すの

読書感想1「この本を盗む者は」深緑野分

こんにちは、せ→る→です。 今日は、深緑野分さんの「この本を盗む者は」のレビューを書きたいと思います! <あらすじ> 「ああ、読まなければよかった!これだから本は嫌いなのに!」 書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。父は巨大な書庫「御倉館」の管理人を務めるが、深冬は本が好きではない。ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。 “この本を盗む者は、魔術的現実主義の旗に追われる” 本の呪いが発動し、街は侵食されるように物語