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Sigmund



二十年くらい前に
流行った

『アダルト・チルドレン(AC)』って言葉

君、知ってる?

子供の頃に受けた
トラウマが歯止めになって

大人の年齢になっても
ある種の生きづらさを
日常的に感じてる人々を表す

心理学用語

僕、それなんだ、実は
幼少期、あまりに寂しくて
孤独感が染み付いちゃって

パンドラの箱に入れて
デッカイ南京錠で
心の奥に鍵をかけたんだけど

魂の叫びはやっぱり
閉じ込めることができなかった
泣き止まなかった、延々と
黙ってはくれなかった

彼は
いつも寂しくて
心の中でずっと泣いていた

僕って中途半端に
弱くて、優しかったから
周りの目とか気にしちゃって

他人からどう見られるとか
嫌われたらどうしようとか
そんな心配ばかりしていて

泣いてる自分
子供の自分は
今現在の自分には
どうしても救えなかったんだ

『大丈夫だよ』
『さみしくないよ』
『僕が一緒にいるから』

頭を撫ぜてあげることが
甘えさせてあげることが
なかなかできなかった

見た目は
大人だったのに
心と精神は
いつまでも子供の自分を
責めることしかできなくて

死にたいと
毎日、呟いて
何、やってんだろう?って

素朴な疑問の種(たね)は
全部、心の奥にあったのに

トラウマを癒せない自分に
子供の君を
大人の僕は許せなかった
どうしても愛せなかった

ホントは
ただ抱きしめるだけでよかった

自分自身を、子供の心を
成長しないって叱るのではなく

君の存在を認める

自分への
優しさを持てるように
甘えさせてあげられるような
ホントの
自己愛を手に入れること

大人になることよりも
大切なことが
僕には、目の前には沢山あった

前に進めないのには
全て、理由があった

過去に
囚われてしまうことにも
やはり、原因があった

何一つとして
ムダなことなどなかった

僕が僕として
生きるための要素は
僕の本質的なものである
この優しさを
純粋さ、素直さ、丁寧さ、誠実さを

君に伝えることを
もう一人の僕は
拒ませようとした

けれど
そんな必要がないくらいに
僕は僕を
求めて、認めたかった

自分を愛する
自分に憧れていた

誰かに
愛されなかったとしても
僕が僕の
一番の味方になるために

たとえば
この世界が
なくなったとしても

僕には
生きる意味があったこと

それを
今、君にも知ってほしいこと
伝えたくなったこと

そして
僕という人を
この気持ちは
独りじゃ背負えないこと

存在は尊くて
あまりに儚くて

罪など
傷など

その他の
嫌な思い出
心の傷、トラウマも

君を、自分を
決して
傷つけたりはしないこと

全ての目的は
他に、別にあったことを

自己を
承認するのは
できるのは
あくまで
自分自身であったこと

そして
誰もが
すでに
もう自分に出会っていて

今、そこに
現実に存在している
生きていること
今、呼吸していること

その鼓動のリズムに
合わせて生きる

生活するだけで
この世界は
生きづらくは
なくなってしまうこと

この世界が
自然が美しいことを

僕は
味わいたくて
知りたくて
残りの時間
人生を生きていきたい

子供だとか
大人だとかに関係なく

何でもないような
さっき吹いただけの風に
柔らかさと心地良さを感じて

また
子供のように
可愛くなった心

君は
今は
僕を認めてくれたの?

甘えるような瞳で
見つめていた

大丈夫だよ
僕のことなら
君のことなら
もう心配しなくても

否定することは
やめたから

誰も
自分も
忘れたりはしない
しなくてもいい

僕は
僕のままで
僕を愛している

こんなにも、君を愛している

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