35歳、妊娠8か月、生もの断ちはまだしていない。 加熱寿司の話その2 味以外の色々について
前回の記事(実食感想)はこちら
とにかく再販、増産して欲しい加熱寿司。
私はミュージカル「エリザベート」の花總まり×井上芳雄キャスト回のチケットくらいの覚悟で臨んだので、11月22日の販売分を難なく買うことができたわけだが、5分以内に売り切れたらしい。12月4日の再販でも3分で売り切れたという。準備数がかなり少なかったのかはわからない。カードの決済待ちの間にダメになったという声も聞いた。
次はいつ販売なのか……!
今です。今なら+100円で、鯛のお吸い物付き!(2023年2月26日午前現在)
ターゲットである妊婦たち。加熱寿司の再販が早いか、自分の後期悪阻や出産が早いか。
もうひとつのターゲットである免疫療法などやっている人たち。今これを食べられたら元気になれるのに。一時退院のタイミングに合わせたい、次の治療が始まる前に合わせたい。
さあ、そういう人たちが、「〇月〇日〇時から、数量限定販売です!」に飛びつけるだろうか。答えはノーだ。家族なら頑張れるかもしれないが、本人たちは疲れている。少し前まではこの状況で「もう産んでから食べるか」という涙の報告も見かけていたのだが。だが!
どうも最近(2023年2月現在)毎週のように販売があるようで。先日に至っては、「ホワイトデー企画」として24時間連続販売し続けるということもやっておられたそうで、ついに食べたいときに食べたい人が確実に手に入れられる体制が整ったように見える。
前回の記事で、加熱寿司は特別な食事体験をもたらすものだと書いた。実食してみた消費者としてもそう思うし、開発者側もそういう商品として作っていると見受けられる。
妊娠中の妻にプレゼントしたい人など、ターゲットど真ん中だろう。
そういう優しい気持ちから加熱寿司を購入するとき、「〇月〇日〇時から販売スタート!」で他人を押しのけて決済ボタンまでがつがつ進むのは、イメージされている「特別な時間」とは別物だ。欲しい時にいつでも買えることは、加熱寿司の商品コンセプトとして重要な条件だと私は思う。それが整ってきている。素晴らしい。
大切な人のことを想いながら、
自分も一緒に食べようか、それともその人の分だけ買ってあげようか考えながら、
へえ、こういうネタが入ってるのか、飲むお出汁もついてるのかなんて確かめて
大切な人が喜んでくれる顔を想像しながら、
おおざっぱでもいいからお届け日も選べて、購入できるようになれば、
お家で食べる高級お寿司の体験は、購入時から特別なものになるだろう。
少し前までは「とにかくカートに入れて決済完了まで気が抜けない」状態だったのだ。
加熱寿司の食べ方と、その指示についての個人的な要望
食べる直前に、木箱から取り出したプラケースに嵌ったお寿司を袋のままレンジに入れる。3分半ほど温めた後、常温で10分置く。シャリが人肌程度の温かさなら食べごろ。
この内容を見るためには、外装の段ボール箱開けて、カッコいい桐箱を「開けていいのか……?」と思いながら開けて、お上品な熨斗紙みたいなのを「外していいのか……?」と思いながらはずして読む必要がある。フォントが小さいので冷蔵庫前の床に這いつくばって読むのは少々しんどい。
で、その紙を食べる時まで捨てるなと書いてあるから、桐箱に戻す。地味に面倒くさい。
私は自分が食べたくて自分で購入して、事前に冷凍庫の様子も確認して場所を空けるようにしておいたため「あ~~この紙うまく入らん」くらいで済んだ。「飲み会続いたけど嫁さんにコンビニスイーツ買って帰ればOK」的な発想の男性がサプライズプレゼントしちゃったのをつわりゲロゲロ妊婦が受け取ってたら大事故の可能性がある。
で、その紙の折り返したところに賞味期限シールが貼ってある。私は見落として冷凍庫にしまい込んだ。あーーもう上に冷凍うどんと今川焼と豚肉を載せて冷凍庫をみちみちにしてしまった。発掘する気力はない。手が冷えるし。
届いた日から大体60日は大丈夫らしいとの情報をネットで探した。もちろん、当たり前だが早い方が美味しいらしい。届いたのは12月上旬で、年末仕事納めの日に食べようと心づもりしていたのでひとまず問題なし。
写真は、私のお気に入り料亭の冷蔵配送のお節の外箱を開けたところ。
この後どのように保存して欲しいかが一目でわかる。こういうのが一枚入っているか外箱に印刷されていると、忙しくてバタバタしていようと、体調悪くて家ではずっと横になっていようと、なんとかしやすい。
食べる人、受け取る人の想定に妊婦や免疫療法をしている人=お疲れ気味の人を含めているのなら、「届いた!嬉しい!」からの面倒くささを少しでも減らす方が喜ばれると思う。
また冷凍のお取り寄せものの中には、「冷蔵庫で〇時間」「常温で〇時間」などという解凍方法が推奨されているものもある。その点、加熱寿司のいいところである「食べる直前のレンジ解凍」は早めにアピールして置いて損はないはずだ。食べたいと思った日にぱっと食べられるのだから。
「妊娠や病気等で生もの控えてる方へ」というPRについて
私は今妊娠中だが、生ものは気にせず食べている。そもそもが、「妊娠中は生ものNG」というのも気にする人とそうでない人がいる。助産師等の専門家に聞いても別に気にしなくていいという人もいるし、私の通っている大学病院では一切そのような指導を受けたことがない。
「妊娠中は〇〇NG」言説により、土から生える野菜や生肉に触ることから避けている人がいる。これは正直やりすぎである。昔の人は何を食っていたのか。
加熱寿司のプロモーションは、「食事制限」に苦しむ人を救うという名目と同時に「妊娠中は生ものは避けるのが常識」という考えも広めているように私は感じている。
開発のきっかけとしてのPRはよいが、できれば「妊婦」よりも「まあなんやかんやあって、生ものを避けている人」としてもらった方が、今後苦しむ人を増やさなくて済むように思う。
(もちろん実際に、開発者の方と同じように「妊娠中はお寿司がダメ」で今苦しんでいるひとはいるので、どういう戦略をとるかは自由だ)
https://note.com/ped_allergy/n/n3ae6289d2e54
妊婦と生魚の話については、アレルギー専門医のほむほむ氏が書かれたこちらの記事に詳しい。加熱寿司の話にも触れられている。
高級感ある木箱と価格について
前回の記事で書いたように、私は外でお寿司を食べるような特別体験をするための価格、と受け止めている。加工品だし、送料のこともあるし、まだ量産体制は整っていない。やや高めでやってもらった方が次が続くかもしれない。
もしも特別な体験でなく「気軽にお寿司を楽しんで欲しい」コンセプトにするのなら桐箱はもっと安価な紙箱にして、価格を下げてもよいと思う。なにしろしっかりした木箱の処分はなかなか根性がいる。簡単にばらして捨てられると助かる(繰り返しになるが、免疫力の弱っている人・妊婦=身体がしんどい人、と想定する場合)。
箱に関しては再利用を想定しているとのことで、確かにああいう箱は、浅い引き出しの整理に重宝する。
しかし、いきなり二箱増えても使い切れない。我が家の引き出しは既に別の(ホテルザッハーのザッハートルテの)似たような箱で綺麗に整頓している。リピートの度にあの箱が増えていくならやはりどこかで処分が必要だ。
想定されるシチュエーション
袋(9貫入りのプラトレー)のまま加熱3分20秒、常温に戻すのに10分。
冷蔵庫で自然解凍するとシャリが崩れるから駄目。
あの寿司のプラケースのサイズから考えると、一人前ずつしか解凍ができない。
ということは家族4人で食べようという場合は、最初の人の分を解凍し始めてからレンジは約15分稼働し、全員そろって食べ始めるまでに約25分かかる
最初の人のシャリは崩れていないか少し心配である。準備時間を考えると、夫婦ふたりまでのシチュエーションが無難な気がする。
温めムラのこと
3×3のプラケース、ターンテーブルでなくても真ん中と端で温めムラができてしまう。
常温に戻す10分を経て、シャリが人肌くらいなら食べごろ、温めが足りなければ「もう一度温めて、また常温戻しに数分」ということが公式Twitterで発信されていた。いやだ早く食べたい。
温めムラの問題点としては、「さっき食べたやつはちょうどいい温め具合だったから、次の1貫をひょいっと口に入れたら中が冷たかった」という状況であって、その1貫については温め直せない。玉子が顕著だった。ひんやり和風プリンという感じで美味しくはあったが、ちょっと知覚過敏がキンとなった。
販売数は安定するのか
最近はいつでも買える? その状況は続くの?
今後の生産&販売計画が見通せない現状ではあると思うが、どのくらいのテンポでどのくらいの数を供給できるのかがある程度オープンになると、どの回で買おうか、冷凍庫のスペースの問題なども含めて予定が立てやすい。
妊婦をターゲットにしているのであれば、「早く買わなきゃ妊娠期間が終わってしまう」という焦りのある人がいるだろう。
免疫療法中の人をターゲットにしているのであれば「今、これを食べて元気を出して欲しい」というニーズがある人がいるだろう。
安定供給が完全に成立すれば、これらの人の思いは救われる。
まとめ ゆっくり選んで購入可能? 自分たちなりの素敵なお家時間を妄想して「今」買うべき
公式Twitterで明らかになっている直近のメディア露出予定などからしてまた人気爆発→売り切れという可能性があることから、いずれ買うつもりなら今だよと強くお勧めしたい。
今なら決済直前の売り切れはなさそうだし、鯛のお吸い物セットも選べるので、誰とどんな風に食べるのか楽しい妄想を広げてから購入するとよいと思う。
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