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あらすじ俺の名前は、石川五右衛門3世。かの有名な大泥棒・石川五右衛門の、弟の子孫だ。3世…
月の明るい夜。 ばらばらばら。 ばらばらばら。 空の方から何かが降ってくる音。 「…
金倉屋の朝は早い。 住み込みの番頭が雨戸を開けたのは、まだ、夜の明け切らぬ寅の刻(…
大騒ぎになった。 調べてみると、家人には、花の他に熱の出ている者はいなかった。だ…
おえんの話が気になったので、妙の部屋をのぞいてみることにした。 決してスケベ心からで…
青空にいっぱいに翻る、洗い立ての夜具。おえんの寝巻着。 5歳の幼女に、宗十郎の幽霊は…
下から聞こえる物音に、蔓屋幾三郎は、はっと目を覚ました。 かすかな、ひっかくような音を、確かに聞いた。 気のせいかと思った。 明け方にはまだ早い。もうひと眠りしようと思った。だが、どうしても寝付けない。 思い切って起き上がった。 水でも飲んでこようと思ったのだ。 家の者を起こさぬよう、抜き足差し足で、階段を下りる。 廊下の端に置いてある水甕の水を汲み、柄杓から直接飲み干した。 厠に寄り、ふと、店を覗いてみようと思い立った。 蔓屋は、版元だ。 し
照り返しのきつい河原で一日働いて、それなのに、俺たちは、姿絵を買えなかった。 教えら…
「恐らく、首を切られてから、川に投げ込まれたのだろう」 もったいぶって、天寿庵が結論し…
「これ、独歩。独歩や。親分さんがお呼びです」 如信尼に呼ばれ、川端独歩が現れた。 …
調べが行き詰まっているという噂は、俺の耳にも入ってきた。 そもそも、俺は(独歩もだが…
「でも、五右衛門。それ、いいかもしれない」 あばら家に降臨した弥勒菩薩と生意気なクソ…