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お天道様ノ掴み方- ⑤
月明かりの晩-
夜風と共に、物思いにふけっていた僕は、事故の際に起こった、あの「妙チキリンな出来事」を、思い出している。
(気をつけるんだぞ?夕-)
・・一体、何をどう気をつけたら良いんだ・・。と、今の僕には、さっぱり分からないでいた。
「『アヤカシ』・・だったっけか・・?」
何だそりゃ・・?まるで、おとぎ話でもあるまいし。
-事故から回復して、早数時間。
いい加減、脳内も肉体も、元
お天道様ノ掴み方- ④
助けてくれたんだね-
「・・ッ?!」
突如、目を覚ました-
どこだ・・?ここは・・・
・・ここで唐突に起き上がって、辺りを確認するのも、何だか気恥ずかしい気もするが、しかし、今はとりあえず、事の状況を確認してみないことには、何も始まらない。
僕は、しばらくの間硬直していたであろうその体を、突如、電源を入れ始めたかのような「大型機関」のように、その思考をグワっとフル回転させ、動き始める。
お天道様ノ掴み方- ③
「契約?!」
「うん♪」
だから「うん♪」じゃねーよ!
「つまりはの?そなたは、ウチと契約をしないと、お前さんを「仇なす」あの死の権化を打ち破ることができないのじゃ」
冒頭から、いきなり何を言っているんだこいつは・・
「ぼ、僕が死神を倒す?」
「うん!」
「・・・さっきからウンウンって・・。あ、あのなあ!一体どうやって!どうやって、そんな、そんな・・こんな、なんの変哲もない、さっきまで普通
お天道様ノ掴み方- ②
-オーイ
「・・・・」
「おーい」
・・・?
ふと、目が覚めた-
ここは一体どこだ・・
何だか・・和らげな風を感じる・・・
・・「ここは一体どこだ?」と言う前に、まず、目が開かない・・。「先程」の衝撃のせいなのだろうか・・
「オーイ」
頭が痛く、重い・・・。ぼんやりとしながら、僕は、呼んでいる方へ顔を傾けてみると・・
「お?やっと気がついたのじゃ」
「・・?」
僕が気がつくと、そこ
お天道様ノ掴み方- ①
(場面 変わる 現在)
それから- 何年目かの夏。午後- 昼下がり。
今日は、日付けにして、7月7日だ。
幼い日の出来事なんて当に忘れていた僕は、
今年で17歳になる、誕生日を迎えていた。
(風鈴の音)
(今日は、七夕か・・)
そんなことを思いながらも、連日、暑い日が続いていた-
気温は- 摂氏、37℃.
今年も、まだ、まだ、 まだ、もう少し、暑くなりそうな予感がしている。
(
お天道様ノ掴み方- はじまり
「陽ノヒカリは妖シクテ-」
(始まり。蝉時雨、風鈴など)
-幼い日の、あの・・蝉時雨がうるさかった、あの夏の日。確か、陽(たいよう)が眩しい、午後の時間帯だった。
太陽の日射が、今日は、なんだか非常に眩しい・・
だから・・こう、陽(ひ)の光を遮るよう、手のひらを空へ翳(かざ)すと・・何故だかこう、とても・・とても、感傷的な気分になったのだ。
それはまるで・・何故だか、こう・・僕らは・・ち