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【映画感想/ドラマ感想】『一流シェフのファミリーレストラン』好きなものは最後に食べる派

Hulu/Disney+ 
ジェレミー・アレン・ホワイト主演

Hulu、Disney+、この並びで期待半分不安半分だったのだが。
僕の人生の中でも間違いなくトップ3に入る、最高のドラマである。
今後これを超えるものをドラマ、映画で観ることがあるだろうかと、歓喜に震えた。

世界的に有名なレストランの若きシェフであるカーミーが、故郷のシカゴに戻り、自殺した兄マイケルの経営していたサンドイッチ店を継ぐことになるが―、というストーリー。

まず役者たち。ドキュメンタリーかと思うほどのリアル。料理の腕前はもちろん、その佇まいに痺れる。
かつて菅原文太が「漁師を演じても、本物の漁師には敵わないよ」と言っていたが。このドラマの登場人物たち、レストランの面々は、もうそんなレベルにはいない。主演のジェレミー・アレン・ホワイトなど、レモンよりレモン味とはこのことだと思った。とにかく素晴らしい。

そして撮影。技術はもちろんだが、カメラマンがドラマの舞台シカゴで生まれ育ったとしか思えない点描のうまさ。『This is us』シーズン2のメンフィスのシーンや、『ザ・ライダー』の実景に比肩するカットの数々。たったひとつのカット、実景になんとドラマのあることか。
そのカットひとつだけでも「観て良かった」と思えるドラマだった。

最後に作品のテーマ、根底に流れる家族の問題、それが僕にとっては全てだったと言ってもいい。『愛』なんて簡単に一言では言えない家族との関係。許せないこと、許すしかないこと、いつか許すこと、ずっと許せないかもしれないこと、記憶の離島にある美しい思い出、いま抱える怒り。このシカゴの薄汚えレストランを舞台にしたドラマは、僕のドラマでもある。


 エミー賞はこっちでしょう

そして遂に始まった最新シーズン(シーズン3)。
観たい、今すぐ観たいのだけど、観ちゃったら、もう観ちゃったことになるよ、ということでなかなか手を付けられない。どうしよう、もう1回シーズン1から始めようか、どうしようか。ちなみに僕は好きなものは最後に食べるタイプです。

追記
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