仕事は楽しいかね?
内容
出張の帰りに、
大雪のため一昼夜空港のロビーに足止めされた「私」。
そこで出会ったある老人に、
つい仕事で鬱積した感情をぶつけてしまう。
老人は実は、
高名な実業家であり、
その含蓄ある言葉に「私」はしだいに仕事観を揺さぶられていく。
ストーリー形式で話が進むアメリカで有名な自己啓発本。
老人からのアドバイスに出てくる、
一つ一つの言葉に、
深みがあり
想いがあり
なぜか心に響く
そんな名言が詰まった一冊
過去に読んだことがあったが、
思い出したので再度手に取って読み進めた。
感想
将来への希望もなく日々仕事に追われる主人公が、
老人のアドバイスに自己変革のアイデアを見いだしていく物語。
ありきたりな展開でも、
これぞ自己啓発本というような物語。
物語の展開はさておき、
心に刺さる名言は多い。
『不思議なことに、不運は得てして好運に変わり、
好運は得てして不運に変わる』
冒頭のこの言葉から始まるこの意味は、
この一冊の全てが凝縮された言葉であると、
読み終えた時に感じる。
『試してみることに失敗はない』
第3章は1ページで終わりという驚愕の展開。
『必要は発明の母かもしれない。だけど、偶然は発明の父なんだ』
この言葉は今まで聞いたことが無いような素敵な台詞。
何かで今後使ってみたいとも思う。
『目標や夢がないからという理由で失敗した事業を、僕は知らない』
この言葉に最も感銘した。
大文字や太文字で目立つように記されているわけではないこの言葉に、
なぜか核心を突かれたかのような印象を抱いたのは、
夢とか目標という幻想か何かにとりつかれていたからかもしれない。
『試すことは簡単だが、変えるのは難しい』
この言葉にも納得感は高かった。
試すのは誰でも大抵できる。
でも、変えるまでは難しい。
世の中の真理を突いた名言だと思う。
自己啓発本を読むことで、
忘れていた人生の格言を思い出させてもらえる。
平凡な日々の繰り返しの中で、
不条理な世の中だということを忘れてしまった自分を、
もう一度前向きにしてくれる不思議な効果がある。
まだまだ人生のすべてを理解するには、
読んだ書物が少なすぎる。
つくづく実感した次第。
おススメ度
〇
ストーリー形式で進むが故なのか、
格言の解説に時間がかかりすぎている。
ストーリーの流れで全てを説明しないといけないため、
言葉の核心を披露するまでにかかる文量が多い。
読み進めるのが億劫になってしまうマイナス面が否めない。
ただ、
出てくる名言の数々に、
込められた意味は深い。
この言葉の意味を、
しっかりと胸に刻むことで、
明日からの一日を楽しく感じられるような、
変化が起きても不思議ではない。
読み進める際には、
自分にぴったりな名言を探すように楽しんでほしい。
こういう海外の書物を読むと、
翻訳ではなく実際の言語で書かれた内容を読んでみたいと思うことが多い。
もちろん英語なんて全く理解できないが、
こういう書物の真の意味を理解するために、
語学を勉強してもいいかもしれない。
タイトル:仕事は楽しいかね?
著者:デイル・ドーテン
翻訳:野津智子