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【読生感想文】 カラフル 【森 絵都】

1998年の作品。
どことなく、良き平成のエンタメ感が漂う作品かと笑

いやー何が良いって、
読み終わってみると、タイトルがシンプルで秀逸。

作中に「ホームステイ」というキーワードがあり、
これがAmazon primeでのオリジナル映像化の際に使用されている。
過去にもNHKで実写化やアニメ化もされてるみたいで、
それに関連してか、タイトル変更されてるけど、
これも重要なキーワードだしまぁ納得かな。

主人公を通して読者は、
家族や友人、憧れの人をどう見ているか、
逆にどう見られているか。
そこには大いに誤解勘違い思い込みがあるんやでって教えてくれる。

鬱になっていく人間がどのような過程で孤独になり、
視野狭窄に陥って周囲の人間の思考や、
起こった出来事の意味を悲観的に考え、
最悪の判断を下すに至るのか。
その時、世界はどう見えているのか。

もしやり直しが可能なら、、、

そういう一度くらい誰もが考えたかもしれないような、
そう複雑でもなく容易に想像出来なそうなこと。
それが本当に実現したらこんな感じなのか?
といった世界観を疑似体験出来るようなお話。

なんというか、
小説とかエンタメって言わば、
他人の妄想を楽しむモンやと思うんやけど、
本書は自分の想像力の延長を客観的に見せられてるような、
とても不思議な感覚に陥った。

いや、お見事ですわ笑



著者:森絵都さん

初見で名前読めなかったしなんとなく男性かなーと思ってたら、
とっても素敵な女性でした笑

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