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障害受容(克服)の過程
インクルーシブ教育の成功ポイントというテーマで,
話をさせてもらったことがあります
私は,「ポイントは,教師が握っているのではないか」と
お伝えしました
基礎的環境整備と合理的配慮について話し,
ある事例をもとに,進めました
中でも,
実態把握し,子どもを指導していく過程で,
保護者へどのように伝えればいいかということが,
カギを握るように感じています
子どもの伸びを伝えることは難しくありません
良いことですから,保護者も満面の笑みで,
聞いてくださることでしょう
しかし,子どもの特性や困っていることを伝え,
担任の指導だけではなく,専門家の声を聞きたいと,
伝えるには,ハードルが一気に高まります
私自身も,小学校3年時にお伝えし,
やっと中学入学前に,専門機関へつながった事例を
知っています
そう簡単なことではないんですよね
そこで,提示したお話は,
障害受容(克服)の過程(上田1983)です
1.ショック期
2.否認期
3.混乱期
4.解決の努力期
5.受容期
と,5つに分けて考えておられます
つい担任をしているときは,
「子どものことやねん(なんだ)から,(専門機関へ)
動いてくれたって(行ってくれても)
いいやん(いいじゃないか)!」
って思います
けれど,この5つに思いをはせると,
なかなか難しいことが分かります
一年間で子どもたちを育てたい!と強く思うことは,
大切です
しかし,一人の力では,動かないことがあることも
事実です
最近,中学籍の先生方と話す機会がありますが,
「中学校では,3年間を見通して,子どもたちを
指導する」そうです
小学校籍の私は,つい,「この一年で……」と,
欲張ってしまいますが,全てが全て,このように
捉えるのは,違うのかもしれません
基礎的環境整備や合理的配慮について,
かかわっていくのは,教師です
その子どもが,安心安全でいられる学級をつくられるのも,教師です
だから,
「子どもにとって最大の教育環境は,教師自身」です
そのためにも,教育に関する知見は,日進月歩です
私も精進しつつ,学び続けます