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アゼルバイジャンGP予選の分析:各チームの戦略と見通し

アゼルバイジャンGP予選後、各チームのコメントから、バクー市街地コースの予選結果に対する各陣営の感想と戦略が浮かび上がります。フェラーリ、マクラーレン、レッドブル、メルセデスという4つのトップチームがそれぞれ異なる予選体験をし、決勝レースへのアプローチも多様です。

フェラーリ:ルクレールの優位性とサインツの安定感

フェラーリはシャルル・ルクレールがこのサーキットでの強さを再び証明しました。彼は金曜のフリー走行をほぼ逃していたにもかかわらず、3年連続でバクーのポールポジションを獲得。予選ラップを通してミスがなく、他を大きく引き離すパフォーマンスを見せました。ルクレール自身も「このサーキットでは常に自信が持てる」とコメントしており、フェラーリのセットアップがほとんど変わらなかった点が信頼感に繋がっています。一方、カルロス・サインツも3位という好ポジションを確保し、明日の決勝に向けてグリッド側の有利性を強調しました。

フェラーリのチーム代表であるフレッド・バスールは、2台がトップ3に入ったことを高く評価し、クラッシュにも動じないルクレールの自信と、安定したパフォーマンスを見せたサインツを称賛。彼らはロングランでのペースも確実に仕上げており、タイヤマネジメントを重視する姿勢で明日を迎えるとしています。

マクラーレン:ピアストリの躍進とノリスの不運

マクラーレンでは、オスカー・ピアストリがQ2を突破し、2位という予選結果を残しました。彼のアグレッシブな走りは、彼自身が「リスクを取ることで結果を引き出せた」と述べている通り、バクーの特徴である市街地コースを最大限に活かしたものです。一方、ランド・ノリスは予選Q1で黄旗に引っかかる不運に見舞われ、17位に終わりました。ノリスは予選結果に不満を表しつつも、バクーでは「オーバーテイクのチャンスが訪れる」と語り、決勝での挽回に意欲を燃やしています。

アンドレア・ステラ、マクラーレンのチーム代表は、ピアストリのパフォーマンスを高く評価しつつも、ノリスの不運を悔やみました。それでも、バクー市街地コースでのチャンスを活かし、両ドライバーがポイントを獲得することを目指しています。

レッドブル:フェラーリの強さに直面

レッドブルはFP3で好調なペースを見せましたが、予選ではフェラーリに及びませんでした。セルジオ・ペレスはQ3でミスを犯し4位、マックス・フェルスタッペンも6位に終わりました。フェルスタッペンは、予選前に行ったセットアップ変更が裏目に出たことを認め、ストリートコースでのリスク管理が予選に響いたと振り返っています。それでも、レースでは「改善の余地がある」と自信を見せています。

チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、予選でフェラーリに及ばなかったことを認めつつも、「バクーではオーバーテイクが可能」と述べ、決勝での逆襲を狙っています。

メルセデス:タイヤ問題に苦戦

メルセデスは予選で期待通りの結果を出せませんでした。ジョージ・ラッセルは5位を獲得したものの、ルイス・ハミルトンはタイヤのパフォーマンスに苦しみ、7位に終わりました。ハミルトンは「タイヤをうまく機能させられなかった」と振り返り、明日は異なる戦略で前進を図る意向を示しています。

トト・ウルフとアンドリュー・ショブリンは、フェラーリのペースに追いつくことが難しいことを認めつつも、ロングランでのパフォーマンスを重視し、明日のレースに望みをかけています。

総括

アゼルバイジャンGP予選では、フェラーリが圧倒的なスピードを見せつけ、ルクレールが3年連続のポールポジションを獲得しました。一方で、マクラーレンのピアストリが驚異的な走りで2位につけ、レースへの期待を高めました。レッドブルとメルセデスは予選でフェラーリに及びませんでしたが、バクーの市街地コース特有の展開を生かして、決勝での逆転を狙っています。タイヤマネジメントと戦略が鍵を握る一戦となりそうです。

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