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教員のプロフェッショナルを目指せる絶好の環境がここにある。「夢教育」を実践する郁文館夢学園

「25歳、人生の主人公として輝いている人材を育てます」

こんなユニークな教育のゴールを掲げるのは、東京都・文京区に校舎を構える学校法人郁文館夢学園。

同学園は「夢教育」を理念に掲げ、現在、郁文館中学校、郁文館高等学校(全日制普通科)、郁文館グローバル高等学校(全日制国際科)、ID学園高等学校(通信制・単位制)の4校を運営しています。どの学校も順調に生徒数が伸びており、現在積極的に採用活動に取り組まれているそうです。

生徒たちの夢を叶えるための「夢教育」の内容や、同学園で働く魅力について、法人本部 人材開発室 室長の藤井崇史さん、主任の北澤壮太さん、郁文館高等学校・グローバル高等学校教頭の都筑敏史さんに聞きました。

子どもたちの幸せのためだけに学校はある

大学卒業後、広告代理店を経て2010年に入職した藤井さん。講師として同学園でのキャリアをスタートし、2017年には郁文館グローバル高校の統括主任を経験。勤続10年を迎えた2020年に、自ら提案し、人材開発室を立ち上げられたそうだ。人材開発室は、同学園でどのような機能を担っているのだろうか。

人材開発室 室長の藤井崇史さん

「人材開発室は、郁文館の教職員教育を専門に行う部門です。ミッションは、『働きがい日本一』の学校をつくること。働きがいを具体的に、先生たちの成長実感、理念の一体感、仕事の充実感の3つに分け、この3つの働きがいを高められるような施策に日々取り組んでいます」

例えば、学校のDX化。先生たちにとって最もやりがいを感じるのは、生徒と直接向き合う時間だという。先生たちが教員にしかできない仕事に集中し仕事の充実感を高めてもらうために、10年前から1人1台のICT機器活用を進め、教員の雑務を効率化するためのDX化を進めてきた。

他にも階層別の職員研修や定期的に実施される1on1フィードバックなど、先生自身が学習し、成長できる仕組みが豊富に整えられている。先生たちの成長に比例して、生徒も成長していくというのが同学園の考え方。全ては子どもたちのために仕組みをデザインしているのが特徴的だ。

同学園では、「子どもたちの幸せのためだけに学校はある」というミッションを掲げている。大いなる夢を持つことが、子どもたちにとっての幸せ、ひいては人にとっての幸せだとする同学園の理事長である渡邉美樹さんの考えだ。教育目的に「子どもたちに夢を持たせ、 夢を追わせ、夢を叶えさせる」を掲げる理由はここにある。

「当校では『夢教育』を行っています。夢とは、「その人が生まれてこなかったら起きなかった素敵な奇跡」であり、夢教育とは、社会に感心を持ち、好きで得意で“ありがとう”が集まる夢=仕事を見つけ、その夢の為に必要な力である学力・グローバル力・人間力を身に着けるための教育です。」

「夢の中身は、職業でも生き方でも目標でも、それが子どもたちの内側から出ているものであれば何でもいい。学校行事や授業の中に、感動体験や困難な状況に対峙する経験などいろんなエッセンスを散りばめて興味関心を引き出し、時には子どもたちの心を揺さぶります。そのようにして、夢を持つきっかけづくりを行います」

教員は、生徒たちがその夢を追えるように、伴走する。「夢カウンセリング」と呼ばれる面談では、生徒一人ひとりの夢や目標に合わせて、生活習慣や学習面において次に必要なステップを教員が生徒と一緒に考えていくそうだ。

他にも、各業界の第一線で活躍するゲストを招く講演会「夢達人ライブ」や、長野県にある合宿施設に泊まり込んでの「夢合宿」など、目標に向けて行動する仕組みがしっかり考えられている。

夢教育のゴールを、25歳にこだわる理由

「ここまで夢、夢、夢としつこくいうと、夢そのものに価値をおいているように聞こえるかもしれませんが、夢を叶えるか叶えないかは、正直どちらでもいいと思っていて。夢に向かうプロセスが大事なんです。PDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回していく中で、人間性が成長すると私たちは考えています」

「夢は進化するものです。初めは小さくても、スモールステップで目標を立ててそれを達成していく中で、自分はもっとこんなことができるんじゃないか、こんなことに挑戦してみたい、という形で大きくなっていく。スタートラインで抱く夢の大きさは人それぞれ違いますが、その実現に向けたPDCAサイクルに伴走すること。それが当学園の教員の使命です」

冒頭で紹介した夢教育のゴールである「25歳、人生の主人公として輝いている人材を育てます」の25歳は、やけに具体的で興味を引く表現だが、なぜ25歳を夢教育のゴールに設定したのだろうか。

「学生時代に様々な経験を積み基礎力を高め、仮に22歳で社会に出たとします。実際に働いてみると、色々な挑戦や失敗を通じて、自分自身のことがより良く理解できるようになります。そんな中で、だいたい3年ほど働くと、次第に自分のやりたいことが見定められていく。そこからが本格的なスタートだと思っているんです。つまり、人生で本当にやりたいことに向かうスタートラインが「25歳」だということです。その時点で、自分の人生に対してワクワクし、希望を抱けているような人間を育てたい。そう思っています」

人材開発室 主任の北澤壮太さん

SDGs教育で芽生える問題意識が、夢につながる

郁文館夢学園では、「夢教育」で育む3つの力として、人間力の向上(自ら人間性を高めていく力)、グローバル力の向上(未来を切り拓くことができる力)、学力の向上(応用力を獲得できる力)を挙げている。さらに近年では、これにSDGs教育も加わり、「実践型SDGs教育で日本一」も目指している。それはなぜだろうか。人材開発室主任の北澤壮太さんはこう語る。

「今の子どもたちが大人になり、社会の中心となって活躍する頃には、SDGsの取り組みがより加速していくと思います。つまり、どのSDGsに関わるのかという選択こそがなりたい自分の姿を選択することに繋がり、SDGsが当たり前の世界を生きることになるわけです。そう考えると、SDGsを教えないわけにはいきません」

「SDGs教育に力を入れるのには、実はもう1つ理由があります。それは問題意識の芽生えです。夢を持つ一番の大きなきっかけは、問題意識を持つことだと考えています。『この現状をなんとかしたい』という思いが、夢につながる。問題解決のために何ができるかを考え、その分野の学びをもっと深めようとか、こんな研究がしたいからこんな大学に行きたいという考えにつながっていきます。今の世の中の問題を学ぶ上で、SDGsのテーマは本当に分かりやすい。SDGsを学ぶことは、自分の生き方に直結するし、夢を持つことにもつながるという意味で、大事な教育目標の1つに置いています」

教員として圧倒的に成長できる環境

夢教育を実践しているとはいえ、入学者の半分以上は、明確な夢を持たない状態で入学してくるそうだ。しかし教員のきめ細やかな関わりによって、自分の夢を見つける生徒も多いという。生徒一人ひとりに寄り添った支援をしながら、時には乗り越えられる小さな挫折や孤独を学校生活の中に意図的につくり、真剣に悩ませることもある。ただ教科書に載っている内容を教えるだけではないという意味では、教員としての力量も求められそうだ。

そう聞くと少しひるんでしまうかもしれないが、ここには教員として圧倒的に成長できる環境がある。その一つの要因として、同学園の理事長であり、ワタミ株式会社の代表取締役会長 兼 社長である渡邉美樹さんの存在は大きい。

「提案に対しては、シビアに見られます。なぜ今その提案をするのか、生徒にとってなぜ必要なのか、かかるコストはどれくらいか、コストをかけて得られるものは何なのか。経営者目線でズバズバ突っ込まれます。数値も含めて多角的にプレゼンしなければいけないので難易度は高いですが、鍛えられます。本当に良い提案であれば、ヒト・モノ・カネが必要な分だけあてがわれスピーディーに進んでいくので、それが圧倒的に成長できる要因になっていると思います。私も何度も人材開発室の設立を提案し、今に至ります」

提案を形にするまでのプロセスは、まさに民間企業の新規事業開発や中期経営計画立案の際にたどるプロセスそのもの。学校経営という視点からも、学びが多いようだ。

「今後ますます進む少子化や、学校への自治体からの援助が減少している現状を考えると、学校も自立して経営していくことが必須になっていきます。渡邉のすぐ近くでお金の感覚や経営感覚を学ぶことができるのは、大きなメリットだと感じています」

保護者の方も365日参観OK

圧倒的に成長できる環境は、他にもある。その1つがフィードバックの文化だという。郁文館高等学校・グローバル高等学校教頭の都筑敏史さんも、多くのフィードバックを受けてきた一人だ。

「フィードバックの量は、他の学校と比べても多いと思います。というのも、当学園では常に教室のドアを開けていて、いろんな先生が好きな時にいつでも授業を見にいくことを奨励しています。保護者の方も365日参観OKなんですよ」

郁文館高等学校・グローバル高等学校
教頭の都筑敏史さん

理事長の渡邉さんも、週に1回、全ての授業を見学するというから驚きだ。

「私は社会科担当なので、元政治家でもある渡邉の前で授業をするのはプレッシャーでした(苦笑)。でもしっかりフィードバックをくれるので、それは本当に貴重でありがたいことだと思っています」

なぜ、そこまで教員の授業力に磨きをかけるのだろうか。その裏側には、大切にしている一期一会の考え方がある。

「私たちは、1回の授業や指導で生徒の人生が変わると本気で思っています。研究授業の成果発表のときだけスーツを着てしっかりやるのではなくて、1回1回の授業の、1分1秒にこだわるべきだと思うんです。いつ誰に見ていただいてもおかしくない言動を心掛け、生徒の成長に対して責任を持ちたい。そんな考えから、教室をオープンにしています。生徒からも、先生の授業はつまらないと普通に言われるので、落ち込むこともあります(笑)。当学園の先生たちは皆、何かしら挫折を味わっているんじゃないかな。でもそれを乗り越えたときに、ものすごく成長しているんですよね」

努力が報われるような評価制度も同学園で働く魅力だ。課題に対してどんなPDCAサイクルを回し挑戦したか、低い評価を受けても、そこからどれだけ努力したか。そんな姿勢が評価に反映される仕組みになっていると藤井さんは言う。

「目立つ先生ばかりが評価されるのではなくて、地道に努力している先生たちをきちんと評価したいと考えています。また、『やりたい』と声を上げれば、挑戦する機会も得ることができます。年功序列もありません」

他の学校で10年や20年かかるところを、同学園では1年や2年で急速に成長できる環境がある。まだまだ発展途上であるため、一緒に教育カリキュラムを作っていく仲間を募集していると藤井さんは語る。具体的に、どんな人と一緒に働きたいのか聞いてみた。

「一番大事にしていることは、理念への共感です。また、子どもの幸せを真剣に考えられるかどうか。先生ご自身に成長欲求があるかどうか。そして、日本の学校教育に問題意識を持って、私たちと一緒に解決に向けて本気で追いかけてくれるかどうか。そんな人と一緒に働きたいですね」

研修も、半期で30回以上行われるという同学園。圧倒的な成長が求められる同学園での教員生活は、エキサイティングで、圧倒的なやりがいと成長を感じられそうだ。最後に、藤井さんに学校で働きたいと考えている方へのメッセージをもらった。

「成長したいと思っている方には、うちは日本一合うんじゃないかな。当学園が取り組む『夢教育』に共感いただける方は、ぜひご連絡ください。教育の常識を、一緒に変えていきましょう!」

2022年11月29日 取材
※取材時はマスクを外していただきました。

〈取材・文=三原 菜央・栗崎 恵実/写真=竹花 康〉

郁文館夢学園では、一緒に働く仲間を募集しています
https://saiyo.ikubunkan.ed.jp/