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【ファンタジー小説】幸せのまるたまご ~ライラとジェット~【試し読み】

【ファンタジー小説】幸せのまるたまご ~ライラとジェット~【試し読み】


概要 宿屋の娘、ライラはジェットというお客さんと最近仲良し。  ジェットに喜んでもらいたくて、食べたら幸せになれるという〈まるたまご〉を探すことにしたけれど……?  ファンタジーでほのぼの?な、お兄さんと少女の小説です。

オリジナルファンタジー小説 『幸せのまるたまご ~ライラとジェット~』(本編15000字程度)

2024年10月14日に開催される『文学イベント東京vol.3』にて委託して

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【ファンタジー小説】ソラノトウ【試し読み】

【ファンタジー小説】ソラノトウ【試し読み】


概要少女が目覚めると、そこは塔の中だった―― 三人の少女が果てしない塔を登る物語。

オリジナルファンタジー小説 『ソラノトウ』(本編2万字程度)

2024年10月14日に開催される『文学イベント東京vol.3』にて委託してもらい頒布開始予定です!

BOOTHでも書籍版の通販と電子書籍PDF版の取り扱いを開始します!
こちらの試し読みを気に入ったらぜひ購入をお願いします!
電子書籍PDF版は

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BARD――世界は囁く(前編)

BARD――世界は囁く(前編)

 それは今日のことか、昨日のことか、明日のことでありましょうか。
 とある小さな村に、バードという名の娘が暮らしておりました。
 バードは、風や木や虫たち、その他様々なものと話をすることができる娘でした。川の楽しそうな笑い声、土の優しい子守唄、星たちとの秘密の内緒話。他の村人たちが知らないことを、世界の神々の囁き声から知ることができました。
 時には神様たちの話を皆に伝えることによって、村人たちを

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紅(くれない)に水くくる

紅(くれない)に水くくる

「はぁ……やっぱり綺麗だなあ」
 様々に色づくもみじと穏やかな川の流れを見て、私はため息をついた。秋の山の暖かい色は、こっちまで気分を上げさせてくれる。それは私の名前が、くれないの葉――つまり、漢字で「もみじ」と書いて「くれは」と読ませるように付けられたので、もみじそのものに親近感を得て育ったせいなのだろうか。
 昔から私はもみじが好きだった。夏に育った瑞々しい青い葉が、秋になると赤やオレンジ、黄

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melting of snow ‐六花の伝承‐

melting of snow ‐六花の伝承‐

 ――息子よ、娘よ、そのまた子供たちよ、よくお聞き。今から雪の精霊についての物語を、話し始めるから。
◆8/21 YouTubeにてイメージソングを公開
◆10/22 BOOTHにて冊子版・DL版を頒布開始

BOOTHにて冊子版・DL版を頒布開始!BOOTHにて小説『melting of snow ‐六花の伝承‐』の冊子版・DL版を頒布開始しました。

特に冊子版は装丁にこだわって制作したので、

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水中庭園

水中庭園

 水のなか 小さな小さな箱庭に
 透明少女は暮らしてた
 無色な壁 静かな世界に
 小さな少女は暮らしてた
 小さな少女 小さな世界を知っていた
 硝子の世界を知っていた でも
 外側のことは 何にも知らない
 だって 硝子の住人は
 世界の外のことなんて
 興味も何もないのです

 澄んだ流れ 穏やかな水
 少女の柔らか 触角の髪
 ふわり ふわり
 水の風が吹いている
 ふわり ふわり 撫でて

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カシオペア

カシオペア

※前書き※
 この小説は、コラボ企画展 HAKOLIEN文×画「椅子のある部屋」(箱の中のユーフォリア様主催) に千梨が参加し、展示された作品の再掲載です。
 コラボイラストは、坂本みちよ様に描いていただきました。ありがとうございました。
 ファンタジー、シリアス、ほのぼのなイメージで描きました。5000字作品です。
 加筆版を収録したコピー本が存在しています。
※前書きおわり※

○本編○
 

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かつて竜になりたかった少女が見た夢

かつて竜になりたかった少女が見た夢

※再掲載。8000字程度。

〈プロローグ〉
 お嬢さん、また来たのかね。人気のない山道を若い娘一人で行くのは危ないだろうに。一体何故ここへ来るのかい。

 ――この湖の景色が、あまりにも綺麗だったから。そしてもう一度、あなたに会いたいと思ったのです。

 ……ふむ。確かにここの景色は美しい。しかし、私に会いたいと思うのは、おかしな理由だね。人間にはよく嫌われているから。何せ見ての通り、私は

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