【7問】アナログ-デジタル変換のデータ量計算(FE計算シリーズ)
現実世界の風景・音声・センサーの出力などは、時間的に連続・量的にも連続です。「アナログ」と云います。
一方コンピュータは現実世界の全てを取り入れ記録できません。時間的にキレギレ・量的に目盛りで段々になっています。離散的、「デジタル」と云います。
現実世界からコンピュータに取り込むために、測定することを「A/D変換(アナログ-デジタル変換)」と云います。
基本情報技術者試験では、音声・画像・動画のデータ量の計算問題が出題されます。
測定間隔を「サンプリング周波数」、測定目盛りを「量子化ビット数」から読み取って、「1秒間に生成されるデータ量」を計算するのが重要です。
私がIT専門学校で担当している学生さんも「サンプリング周波数」や「サンプリング周期」の「周波数」「周期」に混乱しちゃいます。測定回数・測定間隔と割り切れるよう、このNoteで演習をしてくださいね。
それでは始めましょう!
基本問題 | サンプリング周波数は測定回数
正答はウ。
サンプリング周波数とは「1秒間に測定する回数」。40kHzは、1秒間に40千回、つまり4万回測定をします。
量子化ビット数とは、測定の目盛り。例えば1ビットなら0, 1の2目盛り、2ビットなら00, 01, 10, 11の4目盛りで測定します。16ビットは。。。めちゃくちゃ大きい数!ぐらいにしておきましょう。
以上より、1秒間に発生するデータ量 = 40k × 16ビット = 640kビット = 80kバイト。
音声データ | 測定データと同じ
音声データだろうが動画データだろうが、大事なのは「1秒間に生じるデータ量」。計算するには「1秒間の測定回数 × 1回の測定で発生するデータ量」です。
標本化とはサンプリングの別名。よって「標本化周波数」は「サンプリング周波数」のこと。日本語か英語かだけです。
では1秒間に生じるデータ量は、 44.1k × 16ビット = 705.6kビット。
60分間(3600秒)に生じるデータ量は、705.6kビット × 3600 = 2540160kビット = 2540.16Mビット = 317.52Mバイト
よって一番近いのは、ウの320。
もう1問行きましょう。
正解はイ。
もう大丈夫ですね。
10k × 16ビット × 4 = 640kビット = 80kバイト。1/4に圧縮するとのことなので、20kバイト。
PCMだとかADPCMだとか、「何か特殊な計算をさせるのかな」と揺さぶってきますが、数値だけ見ればOKです。
画像データ | 1点のデータ量×点の数
正答はイ。
1024 × 768 × 24ビット = 18,874,368ビット = 2,359,296バイト = 2.359296Mバイト。
一番近いのはイの2.4Mバイト。
動画 | 画像データ量×枚数
動画は画像の集まりです。いわゆるパラパラ漫画ですね。
30フレーム/秒とは、1秒間に30枚という意味。格闘ゲームやアニメに詳しいと少し馴染みがある言葉です。
では計算。
(800×600×24) × 30 × 1秒 = 345,600,000ビット = 345.6Mビット。
一番近いのは、エの350Mビット。
今回は単位がビットだったので、24のまま使いました。いつものとおりバイトだったら、24ではなく3にしちゃいましょう。
サンプリング周波数とサンプリング周期
正答はウ。
1秒間に64000ビットのデータが発生して無事送れているようですね。
さて、「サンプリング周波数 × 量子化ビット数 = 1秒間のデータ量」でした。当てはめると「サンプリング周波数 × 8ビット = 64000ビット」。
よってサンプリング周波数は、8000Hzと逆算できます。
サンプリング間隔(サンプリング周期とも云う)とは、測定間隔のこと。
サンプリング周波数が8000Hzなので、1秒間に8000回の測定。よって測定間隔は、1/8000秒になります。
あとは「マイクロ秒」になるように変形していきます。
1/8000 = 1/8 × 1/1000 = 0.125ミリ秒 = 125マイクロ秒。
量子化ビット数は目盛りの数
正答はウ。
量子化ビット数は8ビットなので、2の8乗=256個の目盛りでの測定です。
問題文より、0mVの時に目盛り0。10mVの時に目盛り1、20mVの時に目盛り2のように測定されると解釈します。
では16進数82。10進数にすると130。目盛り130なので、1300mV。
応用情報技術者試験の午後、問7組み込みシステムでも出る問題です。難しくはないので解けるようになっておきましょう。
まとめ
お疲れ様でした。
まとめます。
データ量は、測定回数と量子化ビット数が基本量
測定回数はサンプリング周波数(orサンプリング周期)で表せられる
単位は最終的にバイトにする場合が多い
指数・補助単位の扱いに慣れていくと幅が広がる
指数の取り扱いは >>指数の解説Note<< で。CPUの処理速度・補助記憶の容量でもよく使います。
また「サンプリング周波数 = 1/サンプリング周期」の関係は、他の計算問題でも使います。今後のNoteで解説していくので、慣れていってくださいね。
では、また気が向いたら覗きにきてくださいね。
\力試しは修了試験で!4回分の解説です/
p.s. 普段は >> 専門学校とIT就職のブログ << をやってます。
でわでわ(・ω・▼)ノシ