変身したかと思った…。～勇者マスカルポーネ～
おうち時間が増えたせいなのか、この所、近所のお家の改修工事がよく行われています。
外壁の塗り直しや、外構工事、内装も工事しているのかもしれませんね。
業者さん達が指示を出し合う声や、工事の音を聞いていると、数年前の出来事を思い出します。
あの日も、今日のように晴天が広がる気持ちの良い平日でした。
我が家の台所＆リビングは二階にあるせいか、静かで落ち着く空間です。
窓を全て開放して、気持ちの良い風が吹き抜けると、何とも清々しい気分になります。
ゴキゲンな私は、子供達のおやつ用にパンを作ろうと、冷蔵庫に手を伸ばしました。
今回はパン生地の中に何を入れようか？
チョコレートは次男のお気に入りだけど、この前作ったばかりだな…。
あ、そうそう、ブルーベリージャムと、最近買ってきた「アレ」を一緒に入れよう！
冷蔵庫からジャムの瓶を取り出し、次に「アレ」を手に取って、何となくパッケージを眺めると、「マスカルポーネ」と書いてあります。
マスカルポーネ… おしゃれな名前だこと…。
突然、この名前を口にしたいという思いに駆られた私は叫びました。
「マスカルッ、ポーーーーッネッ！！」
自分でも驚くほどの大音量で、勢いのある発声でした。
思っていた以上に口当たりが良く（？）格好良い響きだったので、一瞬、自分が「戦隊ヒーロー」に変身してしまった気がしました。
「マスカルポーネ」って、何のヒーローなんだよっ！
すぐに自分の発想に笑いながらツッコミを入れる私。
それにしても、我ながら良い声が出たものだ、などと悦に入っていると、近くに人の視線を感じました。
え？ ここは二階、こんな近くに人はいないはず…。
恐る恐る窓の外を見ると、隣家の屋根の上で作業をしている業者さんの姿がありました。
あ、これは完全に聞こえちゃってましたね。
その後で焼いた、ブルーベリージャムとマスカルポーネ入りのパンは、とても美味しかったことを覚えています。