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ドラマ『素晴らしき哉、先生!』は、現代の等身大の教師像を描いたリアルな作品です
今クールのドラマが後半戦に突入してきているこの時期スタートが狙いなのか?はたまた諸事情でなのか(笑)?のドラマ『素晴らしき哉、先生!』。
昨今は”先生もの”のドラマのウケがイマイチ悪いらしいですが、個人的にはどんな”切り口”なのかが気になったのでまずは第1話観てみました。予想よりもはるかに面白かったです。
新米教師の成長物語というのはありがちではありますが、優しい彼氏にお酒を飲んで愚痴を言いまくる生田絵梨花演じる主人公・笹岡りおの”マシンガントーク”が炸裂している姿に、Z世代の新たな教師像を観た想いがしました。”裏アカ”に愚痴を書き込むのも、今どきならではですね(笑)…。
憎たらしい生徒のことは「あのガキ」、モンスターペアレントを「過保護ペ」(過保護ペアレント)と呼んだり…。先生としては正直どうかと思いますが、超ストレスが溜まる現代の教師たちは、学校を離れたらこれくらいの毒を吐いてストレス解消しないとやってはいけないものかもしれませんね。そういう意味では、非常にリアルな教師像を描いている意欲作でもあると思います。
第1話では生徒の万引き事件が勃発し、教頭先生の指名で顔も名前も知らない生徒の迎えに行かされたりお。万引きされたお店の店主からさんざん嫌みを言われ、その生徒には親には万引きのことを内緒にしてほしいと頼まれた上に、回らない高いお寿司を奢るハメに…。
こんな毎日のストレスに我慢の限界がきたりおは、とうとう学校を辞めることを決心します。ところが3年生のクラス担任が事故で入院してしまい、りおが新学期からその担任を代わりに任されることに。
始めての保護者会では、新米教師りおへ”モンペ”たちからの次から次へとキツイ洗礼が…。自分の子供は就職を考えているけれど、ベテランで就職先にも顔が広い前の担任だから安心していたのに、こんなに若くて大丈夫か?と文句を言われたり。
買い物しているりおを見かけたという”モンペ”たちには、彼氏とイチャイチャしてお酒を買ったり、女友達と派手な下着を買ったりしているところを生徒に見られたらどう思われるか?教師がそんなことでいいのか?と嫌味を言われたり。
”モンペ”たちの迫力におどおどしていたら、そんな態度じゃなくてもっと堂々としてほしいと言われたり。”モンペ”たちはまさに言いたい放題。
いやー先生が”聖職”と言われた頃が懐かしい限りですが、いつからこんなに”モンペ”たちが権力を持つようになってしまったんでしょう…。かくいう私も大学で教員免許を取り、教師になろうか真剣に迷っていた時期もありましたっけ…。私の場合はならなくて正解でした。多分心を病んで、もしなっても早々に辞めていたと思います(笑)。
「先生だって、人間だ!」
このりおの口癖が心に響きます。まさにその通りです。先生だって、人間です。先生にだけ完璧を求めるのもおかしな話です。
生徒たちは自分たちの親が保護者会でりおにいろいろ言ったことを謝り、担任を辞めないでほしいと懇願してきました。万引きした生徒も、笹岡はいい先生だと他の生徒の前で涙しました。
生徒たちのこの態度がこのまま好意的な感じでいくのか?それとも一筋縄ではいかず、りおに牙を向いてくることもあるのか?そこら辺はまだなんとも分かりません。
地上波連続ドラマ初主演の生田絵梨花は、セリフの量も膨大で喜怒哀楽の激しいりおを熱演していると思います。りおの成長と共に、生田絵梨花自身の成長も見られるようなドラマになっていきそうですね。
支える脇のキャストたちも安定感抜群です。母親役の田中美佐子がいい味出してます。個人的にはりおの彼氏・大友聖也役、小関裕太くんが観られるのもこのドラマのプラス要素です(笑)。プロポーズしたりおを裏切っているかもしれませんが…。
これまでの”先生もの”とは少し違った視点から描かれていきそうなドラマ『素晴らしき哉、先生!』。今後の展開が楽しみです。