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宮城大学訪問
4月より公立大学法人宮城大学の学長になられた元東北大学理事・副学長の佐々木啓一先生のご依頼を受けて、初めて同大学の大和キャンパスを訪れました。東北大学の本部のある片平キャンパスからは車で約20-30分のエリア。山を切り拓いた土地に、なんとスタイリッシュな建物が。。。
緑豊かなエリアに人工池、日本の大学とは思えない風景。
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こちらは今回、訪問した図書館のある本部棟。
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設立は1997年。大きく3つの「学群」(看護・事業構想・食産業)があります。「事業構想学群」というのは、当時、かなり斬新であった名前ですね。最初に看護と事業構想の学群として設立されたのち、太白区にある宮城県農業短期大学を併合する形に改組されました。
さて、今回は東北大学附属図書館長としての訪問。4階の役員応接室のようなところで、理事長の佐野 好昭先生、学長の佐々木 啓一先生、図書館長の風見 正三先生、後述する学術情報センター長の茅原 拓朗先生、基盤教育群特任准教授の小川 直人先生とお名刺交換して、ひとしきりアイスブレーキングしたあと、図書館をご案内いただきました。本館の2階をメインフロアとして、中2階と1階が書庫。エントランスからの階段はウェディングの撮影などにも使われているそうです。
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建物全体がコンクリート打ち放しの壁でモダンな造り。図書館の入口入って右側の壁面には大きなビジュアルが。
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入り口近いところには低めの書架となっていて、全体を見渡すことができます。山を切り拓いた立地で地盤が硬いのと、建物全体の形が円塔形となっていることも、揺れの力を逃していたのか、2021年と2022年の福島県沖地震による書籍等の落下は無かったとのこと。種々、考えさせられます……。ちょうど大型連休の狭間のタイミングでの訪問だったため、授業は開講されておらず学生さんはいませんでした。
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並んでいる図書は、筆者所属の大学とはだいぶ趣が異なります。看護の学生さん用のエリアなどは、書籍の背表紙も華やかなのだなと気づきました。写真は書庫の中。飛び出し防止バーなど無し。
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奥の方にはイベント開催スペースが。コロナ禍で1人用のデスクが多く配置されていますが、間もなく元の使い方に戻す予定とのこと。エリアの中に置かれた建具は、心理的に落ち着いた環境を生み出しています。
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先の建具や下の写真の奥の方に見える木製のものは、宮城県北の沿岸部にある石巻市の石巻工房というところで作られた、組み合わせて椅子や机になる木の家具。地元産の樹木を使っているとのこと。種々、お洒落、かつ地域振興等を考えていますね。筆者のテンションはかなり上がっていました♫
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ベランダもスタイリッシュ……(溜息)。茅原拓朗先生は「ここでコーヒーを出したかったのだけど……種々、難しく……」と残念そうでした。そう、本当は図書館にカフェは必須です……。
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ユニークな収蔵展示物として、なんと活版印刷用の活字コレクションが!!! 東京の印刷会社が手放すときに手に入れたとのこと。活版印刷の活字で名刺など印刷すると、味があっていいんですよね……。
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ワタナベ印刷さんというところから譲り受けた活版印刷機。畳が敷かれたステージに展示されています。「グーテンベルクの未来形」を若い学生さんたちに考えてもらいたいですね。
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ひととおりフィジカルな空間を見学させていただいたあとに、ヴァーチャルな部分について、茅原拓朗先生よりプレゼンを伺いながら意見交換となりました。なお、大学の組織図としては、「学術情報センター(図書館)」となっており、図書館長の風見 正三先生は、理事・副学長としては研究学術情報、産学地域連携、国際交流も担当され、最高情報責任者CIOを兼ねておられます。
「学術情報センター(図書館)」という名称は、書籍や蔵書を備えた図書館機能以上であることを標榜していますが、実際、独自のオンラインジャーナルを発行しています。機関リポジトリで公開されています。
宮城大学研究ジャーナル Miyagi University Research Journal
宮城大学では,オープンアクセスジャーナル推進のため「宮城大学研究ジャーナル(Miyagi University Research Journal)」を発刊しました。宮城大学学術機関リポジトリにて公開されており,本学の多様な研究の一端が示されています。本ジャーナルは,宮城大学及び本ジャーナルの意図に共鳴する研究者に対して,宮城大学が取り組む特徴的な研究体系に親和的で,デジタル化により広く容易にアクセスすることのできる発表媒体となることを目的としています。
PDFを落としてみるとこんな様式です。こちらは日本語の要旨が付いていないケースですが、著者にはWordのテンプレートで入力してもらうことによって、DXしているかたちですね。査読も為されていると聞きました。テンプレートデザインは、この記事のサムネイルにもした大学パンフレットのデザインともリンクしていますね。さすがです。
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さらに、科学コミュニケーションとして「MyULP:Miyagi University Library Podcast」というポッドキャストを発信! こちらを担当されている小川 直人先生は、本務はせんだいメディアテーク学芸員で宮城大学の基盤教育群特任准教授を兼任。研究者等にインタビューを行って、その録音を編集して公開しています。「とりあえず月1で配信することを目標に1年、続けてきました」と語る小川先生。オウンドメディアを軽々と始められたというのが素敵です。
MyULP第1シーズン(全11回-2022年度)
インターネットによる音声配信(Podcast)番組「MyULP(マイユーエルピー):Miyagi University Library Podcast」を2022年4月より配信されています。本学で行われている研究や教育活動をもとにしたインタビューを中心に,毎月30分程度の番組を公開中です。2021年から発行している「研究ジャーナル」に掲載された論文や本学教員が関わった本を題材としつつ,ナビゲーターの小川直人氏(宮城大学基盤教育群特任准教授/せんだいメディアテーク学芸員)が,さまざまな専門領域のことをできるだけわかりやすく,研究者の人となりに触れながらインタビューを行っています。
地元にこのような取組みをされている方がおられることを、これまで知らなかったことを猛省。
放課後の図書館に学生さんを集めて行う「六限の図書館」というアクティビティがコロナのために中断されてしまったとのことですが、復活できると良いですね。下記は「六限の図書館」で扱われた書籍の紹介。
私からの質問としては、今後、宮城大学の学術情報センターでどのようにオープンデータを扱うようにするのか、というようなあたりでした。すでに、別キャンパスの図書館を会場にして、国立情報学研究所 オープンサイエンス基盤研究センターの尾城 孝一先生、文部科学省科学技術・学術政策研究所の林 和弘先生を講師に招いて勉強会も行われ、オープンデータに興味を持っている研究者は多いとのこと。1学年の入学者が500名規模の大学に備わる小さな図書館だからこそ、時代に合わせた機敏な対応ができるということを期待したいと思います。
キャンパスや建物だけでなく、随所にデザインが満載の学びの場は素敵ですね! 写真を撮り忘れたのですが、4階の理事長室、学長室エリアの壁や廊下にも種々のアートやデザインチェアが……。羨ましすぎます……。
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各種の大学関係冊子等のデザインが統一されていてブランディングが素晴らしい。本当は広報担当としてはこういうふうにできたら良かったのですが、歴史の長い、部署がそれぞれ独立している大学組織では、なかなか困難です……。一番上に置いた冊子「DECADE+16」というものは、学生さん自身が編集したものとのことでした♫
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また訪問させていただきお話を聞かせていただけたらと思いました。