ディズニーランドで病んでた話。
私は夢と魔法の国に行くと、グサッと現実を突きつけられ、病む瞬間がある。
それが帰り際のお土産を見ている瞬間だ。
ディズニーランドの中は完璧。
キャストさんに手を振れば振り返してくれる。
シールだってくれる。
ゲストの人たちも今日を生きる仲間って感じがして温かい。何とも素敵な空間。
では、私の現実はどうか。
まあ、だいたいは何かのストレスに脅かされている。
学生の頃は、友達との関係や勉強のこと。社会人では今後の不安など。
本当にただひたすらに現実が怖い。
これが私の悲しき現実だ。
その現実から目を背けることができるディズニーランドは正しく夢と魔法の国。
現実の怖いものなんて魔法のバリアでシャットダウンされて、現実なんて忘れていられる。
と楽しんでいると、
いつも知らない間にあたりは真っ暗になる。
そして、現実に引き戻されるお土産の時間。
現実のいやーな人たちが、頭の中にポンっと出現する。
魔法が少しづつ解けていくのだ。
やめてくれ。
まだ私は夢の中でふわふわしていたいのだ。
と思っても、追い打ちをかけるように閉園時間のアナウンスが流れる。
外に出たあとは意地になって、電車の中でディズニー要素を探す。
まだ魔法の欠片は残っているはず。
なんて思ってたら、気がつけば新幹線の中。
魔法はしっかり解けて、現実と向き合わなければならない。このギャップにいつも心を苦しめられていた。
これが私にとってのディズニーランドだ。
そんな私に転機が訪れた。
いつものように、ディズニーランドに行った時のこと。
お気に入りのチュロスを3本食べ、お気に入りのショーを3回は見て、思いっきり現実を忘れて楽しんでいた。
さあ。あたりは真っ暗。お土産の時間だ。
ふらーっとお菓子をみて、あれがいいかな?これ美味しそう!とか考えながら、何を買うか決める。
すると…あれ?おかしい。
今までのように現実に引き戻される感覚がない。それどころかお土産を楽しく選んでいる。
何かの間違いと思っても、新幹線の中でも余韻に浸っているだけ。
これは私にとっては革命的な変化だった。
よく考えるとこの頃は、フリーランスとして働き始め、仕事自体が楽しいと思いだしていた頃だ。
苦手な人はいないし、好きな仕事をしていて、比較的ストレスは少ない状態が続いていた。
そうすると、現実とのギャップが少なくなる。だからこその最高のお土産時間が誕生する。
私は初めてディズニーランドで病まなかったのだ。
嬉しい。こんな嬉しいことはない。
今までは本当に夢と魔法の国だった。
その時間が過ぎると、シュルシュルと現実に引き戻される。
なのに、この時はディズニーランドが現実の延長線上にきちんとあるのだ。
ディズニーランドって病む場所ではないのだと、初めて実感した。
そして、これからもそんな自分でありたい。そんな現実をつくっていきたい。
そう強く思った。