美術館の中でバスケを見る 3人制バスケ3x3と八戸市美術館企画展「伊藤二子 ―生のかたち―」
ええ確かに、
「天井に高さのある場所であればどこでも開催できる」
とは聞いたことがありました。そうなんですが、
び、美術館……!?
そうなんです。今回の八戸ダイムカップの開催場所は八戸市の最先端トレンドスポット。昨年開館したばかりのピカピカの八戸市美術館。
まさか、↓のnoteがシリーズ化できるとは…
「〇〇のまち、八戸」とはいうものの
ところで、町おこしなんかの際に「〇〇のまち」というキャッチフレーズってよくききますよね?
八戸って、私が知っているだけで「氷都八戸」(スケートが盛ん)、「イカのまち八戸」(函館と被ってる)、「演劇のまち八戸」(昔高校演劇が強かった)、「本のまち八戸」(市営のブックセンターができた)、「写真のまち八戸」(市内のアマチュアカメラマンの活動が盛んらしい)、「鯖のまち八戸」(おいしい)があるはず。
……多い気がする。どこの市町村もそんなもんなんですかね。
で、この時に思うのですが、それぞれの「〇〇のまち」を目指している方が、じゃあ、自分の好きな〇〇以外の〇〇に関心を持つことはあるのだろうかと。
そんなことを最近考えていたため、この交わることがなさそうな「文化系×体育会系」のイベントはちょっと面白いなと。
八戸ダイムカップ開催時の八戸市長が
「これは文化の融合です」
的な話をされていたのですが、いいこと言うなぁ市長。
八戸スポーツコミッション
更にこれらに加え令和4年に「スポーツコミッション」なるものが発足し、スポーツイベントの誘致による地域活性化を目指しているわけです。
八戸スポーツコミッション/八戸市 (city.hachinohe.aomori.jp)
そのかいあって、この八戸ダイムカップの日はサッカーJ3リーグのヴァンラーレ八戸の試合と、Bリーグの青森ワッツの試合と日程が被っており、うん、そうなんです。
一緒に行く人がいない。
プレーオフ進出をかけた戦いが続くワッツ友達はワッツへ。
試しに写真方面で知り合った方に
「スポーツ写真に興味はないですか?3人制バスケって写真撮り放題で…」
と誘ってみましたが
「ごめんなさい。バスケは全く興味がありません。」
ですよねーーーーー!!!けんもほろろ!!
というわけで、しぶしぶ夫を誘うことに。
「文化系の私と体育会系の夫」の融合ですね。
ちなみに夫は野球とアイスホッケー経験者でバスケを見に行くと
「理論上はエラーしなければ勝てるんだから」と語りだして
うるさーーーい!!!バスケは野球じゃねぇんだ!!!
と言いたくなるので普段は置いて行っています。でも、3x3なら展開の速さや選手交代のフリーダムさがアイスホッケーとちょっと似てるから良いかも。
美術館にバスケコート
どーん!!
こんな感じになるのね!!会場に入った時点で感動。
美術館らしい白い壁に黒と茶のコートがシックな感じで良く映える。
客席を見ると、いつものスポーツイベントとはちょっと違ったキレイ目カジュアルというか美術館ぽい恰好の方も半分以上いる感じ。そういう私も今日のテーマは「美術館デート」。夫と久しぶりに二人きりの外出だしおしゃれしちゃったキャッ。
光星学院高校の競技チア部と白山台チアクラブの子達のパフォーマンスのあと選手入場。
本日はTOKYO DIMEと、仙台のチームSENDAI AIR JOKERとの総当たり戦。
開幕に先立ちまして、八戸市長からのご挨拶。
こうやって市長が関心を示してくれるのってやはりうれしい。
美術館バスケの雰囲気
試合は3チーム総当たりの予選リーグのあとに決勝という流れ。
試合前に簡単なルール説明。
仙台エアジョーカーには元岩手ビッグブルズの永田選手が在籍。
岩手時代から好きだったので、私はとても楽しみにしていました。
経験による狡猾なプレイは健在で、「うわ、やられた」って場面が何度も。
対する八戸ダイムは沢頭智弘選手の2ポイントが良く当たっており試合は一進一退の好ゲーム。
試合が始まったらどこからともなくギャラリーが増えていたのでバスケ観戦初心者が多そうな雰囲気。
というわけでちょいちょい見どころ解説をしてくれるMC(永田選手似)。
19- 19 、19-20など勝負どころの直前のタイムアウトに
と丁寧な解説。
この試合の見方を解説してくれるのすごく良いです。
夫も初観戦なので、「説明した方がいいかな、鬱陶しいかな」と少し悩んでいたのですが、こちらの見どころ解説MCがあったので心置きなく夫放置で観戦に集中出来ました。
お初の人を連れて行って、隣で素人解説するのってちょっと難しいんですよね。
そんなわけで試合は進んで、決勝へは東京ダイムと仙台エアジョーカーの戦いとなり、優勝は仙台エアジョーカー。
八戸ダイムは惜しくも決勝進出ならなかったのですが、全試合競って見ごたえありました。
時折夫の様子を見たらちゃんと前のめりになっていました。
試合後はサイン会と写真撮影会。
いつもだったら長蛇の列なのでこの手のイベントは不参加なんですが、この日はやはりバスケファン以外の方も多かったのか空いていました。
おかげさまで、私も気になる選手のサインを私も頂けましたし、永田選手と小柴選手に「今日見ることができてとてもうれしいです。」とお伝え出来て大満足。
たまにはこういうのも良いですね。
エンタメにおける「場」の価値
で、帰り際、観客の中にママ友の姿が。
「なんか、3人制バスケ見たことないんだけど美術館でやるってきいたから『面白そうだな』って思って」
とのこと。
これって、この企画大成功なんじゃないですかね。
「3x3の『普段から使っているところが急にバスケコートに』っていうの良いよね。Bリーグ夢のアリーナとは真逆の考え方に近いけど、どっちもいいと思う。」
とは、Bリーグファンの友人の言葉なんですが、確かにBリーグのアリーナ計画とはベクトルが違うけれども「場の持つ魅力・価値を楽しむ」という点についてはどちらも同じものを目指しているのかなと。
八戸市美術館
時は遡って、開催数週間前。
こちらのTwitter企画を見かけ
「そういえば美術館できてからいったことないな」
と思い、行ってきました。
それでコートサイドペア席を頂いて一緒に行く人に悩んでいたわけです。
伊藤二子展
この日は地元の画家、伊藤二子展が開催されていました。
八戸市美術館ってジャイアントルームは入場無料なんですね。
知らなかった。
伊藤二子展で、気になる絵が目に入り
足早にその絵の前に行くとタイトルがない。っていうか、他の絵にもない。
展示の奥まで進むとこんな言葉が
おおお、なんという展示の構成…!
してやられた感が。
そこで、奥の絵に目をとられて入口ではスルーしていた言葉を読んでみようと戻ると
悲鳴あげそうになりました。
見事過ぎる。
「場」「プレイヤー」「観客」
伊藤二子さんの言葉のとおり、芸術というか人の活動は受け手がいて成立するもので、受け手の反応含め作品なわけで。
そして、その出会いには「場」が必要なわけで。
「場」「プレイヤー」「観客」の三つが揃ってこそのエンタメ。
なんてことを今一度感じることが出来た二つのイベントでした。
「○○のまち」考再び
「八戸は○○のまち」っての、○○が多過ぎない?
なんて事を思っていたわけなんですが、こうして他の○○と交差する瞬間があるのって、○○が多いからできることなんだよな。
なんて思いまして、この際もっと○○を増やしてくれても楽しいんじゃないかなと。
そんなことを考えながら八戸市美術館のHPを拝見していると
お、これではないか。
この言葉がしっくり来るイベントだったのじゃないかな、今回の美術館バスケ。
こんな感じでお互いの文化を楽しみ、尊重できるまちって、素敵だなって思います。
これ企画した人、八戸のこと大好きでしょ、きっと。