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毎日読書#291 『伝わるしくみ』(山本高史)

積読になっていたので読んでみたら凄く良かったシリーズです。

著者は電通のクリエーティブ局でコピーライターをされていた方なんですが、電通のコピーライターをしている方、していた方って、共感力モンスターみたいな人が多くて、アウトプットも、全方位にものすごく丁寧で、とても分かりやすい事が多いのですが、本書も多分に漏れず凄くわかりやすく、的確に要点を伝えてくれる内容。

内容もそうだし、本の構成の仕方も勉強になりましたよ。

積読にしておいたのがもったいなかった。でも、なぜ購入したのか思い出せないのですよね。お酒が入っているときに誰かに進められたのかしら。

一緒に居る方が本を話題にしたり、薦めてきたりすると、とにかくその場で注文しておく、という事をしてしまう。だから積読が増えるのだけど。

今日、本書を手に取ったのは、娘が私の部屋の積読山にあった本書を指さし「これは読んだの?」と聞いてきたから。

本書における大前提は「コミュニケーションは受け手が全てを決める」ということ。同意も拒絶も無視も、すべて受け手が決める

相手に自分の意思を伝える行動とは、ようするに、多くの場合、相手に何かを要求している事になる。

娘「足元にある本が邪魔」(なのでどかしてほしい)
私「ダメです、他に置く場所がありません」(嫌です)

私「後で読むから積んであるの」(だからこのまま置かせてほしい)
娘「本当に読むの? 邪魔じゃない? メルカリで売ったら?」(嫌です)

例えが悪い。

ともかく「言葉」は、言葉を届ける相手への「提案」と言える。提案なので、言葉を発する方は、同意を求めている。しかし、言葉を受ける側が、その提案を受けるか否かはわからない。相手次第だ。

このあたりは本書を読んでほしい。凄く丁寧に説明されていて、凄く腑に落ちるから。

私が娘に伝えたい「積読の価値を認めたうえで、床に積んだままにさせてほしい」という「提案」は、受け手の理解を超えているうえに、非常識で景観も損ねる事からまったく同意されない。

私の思いはまるで伝わらない。

世の中、伝わらないことばかりだ。

こんな些末なレベルで食い違う。

ありとあらゆるコミュニケーションは、実は難しい。丁寧にやろうとすると全て難しい。

この難しさに気が付けるだけで本書を買う価値があると思う。

本書は、こんなに難しい事を仕事にしてきた方の本なので、著者が見つけた正解に近づく方法が提示される。

その方法はとてもシンプルなのだけど、シンプルだけに相当に難しい。難しいけど、ないがしろにすることはできない。

ごまかしの効かないペペロンチーノのようなものであり、マグロの赤身の握りのようなものである。一筋縄ではいかない。あ、こんな例えじゃ伝わらない。たとえにも、なってない。

ともかく読んでみてください。おススメ!

最終章、「言葉」の使い方、これには頭をかかえた。このnoteはかなりリラックスして書いているのだけど、仕事のメールや書類などは、正しくあろうとするあまり、相手の理解を無視した言葉遣い、言い回しに走る事がよくある。反省だな。

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