唐突なファンタジーに躓いて踏み込めなかった 『この本を盗む者は』(深緑野分) / 読書ログ465
蒐集家の家に生まれるも本嫌いの主人公が、書庫から蔵書が盗まれる事から始まる物語は、唐突にファンタジーで唐突にミステリー。
読むモノに心構えを与えずに、突飛な話しが次々と始まるので読みにくく、入り込みにくく、どうやっても楽しめなかった。
これは、作品が悪いというよりも、私が事前に力みすぎていたのが悪かったのだと思う。ファンタジーとわかると、どうしてもコッテリとしたものを期待してしまうので、世界を表現するための記述が少ないと感じたし、物語に入り込ませる為の仕組みや仕掛けが弱いと感じてしまった。
文章は読みやすく、迷子になる事もないので、通勤時など日常的に小説を消費する方にはよさそう。是非どうぞ。
私が購入したのはハードカバーでこれ。
このnoteを書くということでAmazonのページをみたら文庫化されていたのだけど、こちらの表紙のほうが作品の雰囲気に合っていて良いね。
テンポ良く話しが進むので、オーディブルだと楽しめるのだろうなと感じた。実際にオーディブルの会員なら聴き放題で本書を楽しめる。
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「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。