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毎日読書#204『東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない』(ときど)

最近はeスポーツとしてもおなじみゲームの世界。その世界でトップランクで活躍する選手は多いが、著者の「ときど」は、ウメハラに並ぶ世界的プレイヤーで、ファンも多い。書籍のタイトルにもある通り、彼は東大からプロゲーマーに進んだのだが、本書では、その紆余曲折が書かれる。

書店で著者の新刊『努力2.0』が出たからなのか、いまなら prime reading でゼロ円購読、ということで読んでみた。

本書を読むのに、ゲームの知識は不要。ゲーム好きである必要もない。一人のゲーム少年が、いかにしてプロになり、世界で結果を残してきたかの物語だ。徹底的な理詰めによる研鑽と、それをささえる情熱。彼の語る内容は、ゲーム以外の世界でも、結果を残したいと望む人なら、何かしらピンとくるものがあるのではないか。

何かに真剣に取り組むと、たとえそれがゲームであっても、いつの間にか、成功するための「型」のようなものが身につく。これが実は、まったく別のことに生かせる「応用力」のタネなのである。

というとおり、能力の横展開の話にも通ずるものがある。著者はこのことに、ゲームを極めることで、その研鑽の内容が大学受験にも応用しうることに気が付く。出汁額入学後もゲームに没頭し、海外の大会でも目覚ましい活躍をするが、ふと、ゲームから離れた時期がある、その時は研究に没頭していたというが、そこでも彼は成果を上げる。そして、やはり、ゲームに没頭した経験の横展開で成果を得る。

しかし、著者は大学院に進んだところで挫折を繰り返してしまうのだが。それと同時期に飛び込んできたのはゲーム界のレジェンド「ウメハラ」のプロ宣言だ。様々な人達に背中を押され、特に、父親からの意外なひと押しもあり、著者はプロの道へ進むことを決意する。

そこからの活躍はめざましい。

本書、正直なところ、eスポーツ事情には触れないし、プロのゲーマーになるにあたってのテクニックやノウハウが語られるわけでもないので、人にはおすすめしにくい。

ただただ、著者がゲームに情熱をかたむけてきた様子が書かれているだけである。

だけど、その様子が眩しいのよね。好きなものを究め、情熱を絶やさずチャレンジしたからこその結果であり、読んでいると勇気をもらう事が出来る。

小学生の頃、まさにファミコン黎明期とも呼べる時期、誰かの家にファミコンがあるときけば、それがたとえ友達じゃなくてもそこに集まり、皆で遊んだ。そのときの年齢もなにもかもの垣根を超えたコミュニケーションは、今思えば楽しいものだった。

英語が話せれば何億人と話せる、といった英会話学校のキャッチコピーがあったが、僕の実感では、ゲームも同じような役割を果たしている。

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マエダヒデキ
「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。

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