見出し画像

クライアントに選択肢を与えろ

「クライアントには買いたい量を選ぶチャンスを与えろ」
筆者が高額のビジネス雑誌を出版している会社に勤めていたとき、ベーシックな1年間購読のみを進めたかったので、他に選択肢を用意していませんでした。
上司には「それじゃだめだ!」と言われ、2種類のダイレクトメールを送るように言われました。
1つ目は、1年間の購読を5500円で提案する。
2つ目は、1年間の購読を5500円。2年間の購読を選ぶと9500円で、3年間の購読は「最もお得」な12,000円で提案する。
結果は40%の人が3年間購読を選び、25%の人が2年購読を選び、1年購読を選んだのはわずか35%でした。
3つの選択肢を提案しただけで、購入者の3分の2がより大きい単位の買い物をしたのです。

他にも、筆者の家では毎週、家で車を手洗いしてもらっているそうです。
このサービスをしてくれている男性がある日、こんな提案をしてきました。
「毎週1台につき10ドルで洗車をするより、2台の洗車を任せてもらえるなら割安に、3台ならばさらに割安にします」というものでした。
毎週3台の車を自分で洗う人などまずいません。
いくつもの車を洗車に持っていくよりもずっと便利です。選ばないわけがありません。
こうして筆者は17~33%もの節約をできたのです。

量や頻度を増やす提案をすると、増分原価やサービス提供の実費が劇的に下がります。
アドオンを用いることで荒利益は下がるかもしれませんが、1回の販売や1人のクライアントあたりの最終的な利益を、通常の2倍、もしくは3倍にすることができます。

普段の買い物から少し意識して観察してみるとありとあらゆる業界が様々なアプローチで提案していることに気づけるでしょう。
例えばスーパーに買い物に行けば商品は山のように置いてあり、種類も豊富です。
牛乳を買いに行っても値段や量に選択肢の幅がありますし、玉ねぎや人参も同じです。
結果、買い物から帰ってきたときに想定していたよりも多くの買い物をしてしまうことが多いのではないでしょうか。

また、マクドナルドではどうでしょうか。
ドリンクのサイズはS,M,Lと選べますし、セットメニューでは単品で買うよりもお得感があります。また、子供向けにおもちゃも提供しています。
全てはお客様の欲している「最終的な結果」を最も満足のいく形で提案するために他なりません。
こうした他社のマーケティング戦略に日頃から目を向けることができるようになると競合との差別化を測れるチャンスを得ることができるでしょう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?