幅2mの縦格子フェンスのパネルを4分割にすることでブレークスルー!現場にも環境にも使う人にもやさしい新製品「テトラフェンス」
こんにちは。積水樹脂グループ公式note編集部の土井です。
今回は新製品、それも縦格子フェンス業界初(2024年6月現在)の4分割パネルの縦格子フェンス「テトラフェンス」の紹介です。
この縦格子フェンスを新しい考え方で開発したのは昨年入社の新入社員。固定観念を払拭してどう開発したのか?を伺いました。
幅2mの縦格子フェンスのパネルを4分割!
フェンスは普段暮らしていると当たり前の風景の一部となっていると思います。
実際は1枚が2m幅のパネルを複数設置しています。
1枚が2m幅もあると、運ぶのにもこのような形になります。
しかし、この新製品の縦格子フェンスは
このように運搬できます。2mのパネルをなんと4分割したのです。
2枚セットで1梱包することにより持ち運びしやすくなりました。(写真はH1800パネル)
製品名も「4」を意味するギリシャ語の「テトラ」から「テトラフェンス」と名付けられました。
どうしてこんな製品を作ったのか?
住建事業部 開発室 北村さんにお話を伺いました。
テトラフェンス製品開発の背景
土井)そもそもこの縦格子フェンス「テトラフェンス」の開発の背景について教えてください。
北村)当社の売れ筋はメッシュフェンスなのですが、縦格子フェンスも年々売り上げが伸びていまして、住宅より工場、物流施設、都市再開発などで需要がありました。
また、物流業や建設業の2024年問題もあり、「運搬しやすい」「施工がしやすい」ことが求められていました。
土井)なるほど、建設するためにはフェンスを運ぶということも考えないといけませんね。
北村さん)はい、また高齢化だけでなく建設業や物流業も女性が進出しています。ですので、運搬性がよく、施工性も高い製品を検討しました。
欲張りかもしれませんが、新製品はフェンスに関わる全ての人にとって「やさしい」フェンスを開発したいという思いがありました。
土井)とても素敵な製品コンセプトですね。
現場にやさしく
北村さん)はい。でもフェンスの基本的なサイズは変わらないので、そこで「分割」ということを考えました。
土井)ブレークスルーですね!なんとなく原材料で軽くするなど元のものをどう変化させるかしか浮かばないような気がしましたが、元の1枚のサイズを変えたのですね。すごい!
北村さん)いえいえ(照)
最初はフェンスがたためたらいいな、軽かったらいいなと考えておりまして、「たためルンバ」とか「かるがーる」という愛称で試作品のことを呼んでいました(笑)
たたむ以外で軽くするには?ということで「分割」という考えにいたりました。2分割と4分割とどちらも試してみて、運搬性、施工性を鑑みて4分割にしました。
当社従来製品(ETHY50HC)ではパネル1梱包で26.2kg(1スパン分)あったものが、このテトラフェンスだと1梱包(2枚)は約8.5㎏(1/2スパン分)となります。1スパン分でも従来製品と比較して30%以上軽くなりました。(H1800の場合)
実際に持ってみました
この説明を受けて、本当に軽いのか?と思って製品が展示されているところに伺ってきました。私でも持ち上げられます。
北村さん)製品は施工するために金具やボルトなどが一定数あります。
土井)ホームセンターなどで買う収納家具でもありますね。私はあの組み立てが苦手で、ボルトなどがたくさんあってそれを手に取ってしばらく固まってしまいます。え、4分割したらそれが4倍になったりするんですか?
北村さん)大丈夫です。そんなことをしてしまうと元のもくあみ、というか施工が大変になるので。4分割でもボルトや金具は減っています。このボルト・金具レス問題に一番苦労しました。
ボルト・金具レス問題
土井)どんな所に苦労しましたか?
北村さん)「分割すればするほど金具は増える」という固定観念にいかにとらわれないかがポイントで、でも、じゃあどうしたらいいか?に苦労しました。なかなか構造が思いつかなかったです。
土井)ここですね、ポイントは。
北村さん)施工方法も今までと同じやり方だと、どうしても複数人が必要で、ここも新しい考えを入れることが必要でした。
土井)なるほど。
北村さん)この点は施工される方にしかすぐわかってもらえないかもしれませんが、従来はパネルを持って胴縁にボルトをつける形だったものを上の胴縁にひっかけられるようにしました。
これが苦労しました!
北村さん)またフェンスを設置するところってまっすぐ平坦なことは少ないのです。
土井)そういわれたら地面は平坦が当たり前ではないですね。
北村さん)この製品はその勾配にも対応(30度まで傾斜対応可能)しています。ここは製品の説明会を行った際にも施工会社の方々に好評な点でした。今までの製品は一部特注対応になって時間もかかることもあったのです。
環境にやさしく
北村さん)そして「環境にやさしく」です。まず4分の1にすることで、梱包を簡易にすることができました。先ほどの写真を見てください。
北村さん)テトラフェンスの梱包はフィルムレスになりました。
土井)ほんとですね!
北村さん)次に、4分割することで、トラックでの積載効率がよくなりました。
土井)1回の搬送でどれくらいトラックに積載できるかで積載量やトラックの大きさにもよりますが、CO₂排出量の削減に貢献しますね。
北村さん)最後に補修時です。今までだとフェンスの補修は1スパン(2m)ごとだったのが、その部分だけの交換等でよくなるので1/4での対応になりました。
使う人にやさしく
北村さん)そしてボルトを減らすことで、見かけもいい感じであることにもこだわりました。すっきりとしたデザイン性もポイントです。
また、少し遠めで見えにくかもしれませんが、外側からボルトが見えないようになっています。これは防犯面でもうれしいポイントです。
北村さん)また、従来のものより格子のピッチ(間隔)が狭いところも防犯性アップにつながります。
土井)やはり格子の間隔は狭い方が入りにくいでしょうね。今後の開発の計画などはありますか?
北村さん)施工者(現場)にやさしい、環境にもやさしい、使う人にもやさしいというこのテトラフェンスの考え方を他の商品にも広げていきたいです!
土井)当社の製品は一見して「やさしさ」が伝わらないかもしれませんが、実は安全で快適で、そして環境にやさしい製品、ということですね。次の製品も楽しみです。ありがとうございました!
テトラフェンスはサステナビリティ貢献製品EXです
積水樹脂では「サステナビリティ貢献製品」の開発に注力しています。
この製品は社内基準に満たされているか社内審査を経て認定されいます。また、特にサステナビリティ貢献度合いや技術新規性など、総合的に優れている製品については、「サステナビリティ貢献製品 EX」として認定しているのですが、このテトラフェンスは「サステナビリティ貢献製品EX」です。環境や人へのやさしさは会社でもお墨付き、です。
やさしさ、伝われ~(土井)