せき

余裕を持って、ゆったり過ごしたいといつも思ってます。読書、アート、スイーツ、街歩き、旅…

せき

余裕を持って、ゆったり過ごしたいといつも思ってます。読書、アート、スイーツ、街歩き、旅行、鉄道…大好きです。アートなこと、思い描いたことを書き込みます。

最近の記事

【エッセイ】 スマフォ

 朝夕の込み合う通勤電車のなかで、ほとんどの人がスマートフォンとにらめっこしている。SNS、動画、ゲーム、こんな延長線にそれぞれの暮らしがあるような気がして、うんざりしてくる。  高校を職場にして、高校生と向き合いながら、「スマートフォンの弊害」だとか「スマートフォンに使う時間を家庭学習に」とかいっても、身近な大人がこうなら、それは生徒の心に響かない。  そもそも、「スマホ」といういい方も嫌いで、私はいちいち「スマートフォン」という。さらに、略していうなら「スマフォ」というべ

    • 【エッセイ】 地下鉄赤塚

       私は歩くのが速い。  「もっとゆっくり歩いてください」と、一緒に歩いている人にいわれることもある。自動改札機にきっぷを入れると、機械がきっぷを処理する前に体が通り過ぎてしまうので、エラー音と共にバタンと扉が閉まってしまう。  何にでも寛容でいるつもりだが、人混みで歩くテンポが違う人には、ちょっとイライラする。雑談しながら4人くらいが横並び歩いているなどは、勘弁して欲しい。そんな中を、私は自動車レースやアメリカンフットボールの選手のように、人の間隔を縫って縫って前に進んで行く

      • 【エッセイ】 枇杷 

         うつむいて歩いていたのだろう。歩道に枇杷が落ちていたのを見つけた。  よくいわれることだが、小さいころの記憶は頭の深いところに刻まれる気がする。  母の実家に行くと祖父が枇杷を買ってきて食べさせてくれた。今の時期だったのだろう。幼かったので、それをおいしいと思ったか覚えていないが、大人になっても枇杷が好きで、初夏にお店で見かけると買いたくなる。形は小さく、味が濃いわけでもない。値段も少々高い。それなのに買いたくなるのは、明らかに祖父の影響である。  種は角が丸く、大きい。そ

        • 【エッセイ】 どさん子

           ねぇ、みななん、「どさん子」っていうラーメンチェーンをご存じですか?  ペリカンのマークのラーメン屋さんなんだけど。  私が子どものころに急成長した札幌ラーメンのお店なんです。国道沿いにつぎつぎとできて、このお店に行ってみたいって私は親に話したんだけど、「札幌ラーメンは太麺だから…」と連れて行ってもらえなかった。親は細麺が好きだったから。  あんなにあったその「どさん子」は、いつの間にかすっかり姿を消した。昔より国道沿いは賑やかになって、ラーメン屋さんもあまたなのに、「どさ

        【エッセイ】 スマフォ

          【エッセイ】 イヤなこと

           イヤなこと。  新幹線に乗っていると、靴を履いたまま前の座席の背もたれ(マガジンラックの下のあたり)に足をかけている人がいる。それ、とってもイヤなんですけど!  これも新幹線に乗っててなんだけど…  荷物棚で、私が置いていた布製バックに、後から来た人が隣に置いたキャリーケースの車輪がくっついていたの。「えっ、やめて!」って思っちゃった。だって、そのキャリーケース、トイレとかにも持ち込んだんじゃない?  だったら、その車輪汚いよね!  私、潔癖症じゃないけど、「汚い」っ

          【エッセイ】 イヤなこと

          【エッセイ】 風味を保っているココア

           正直にいっちゃうと、私は50代後半になっている。  勤めている職場は定年延長なんていう話になっていて、今年60歳で定年となるはずだった同僚は、あと1年働くことになった。職場でそれに近い年齢が集まると、この話題になることも多い。「人生設計が変わった」とか、「もう疲れた」「もういい」「気力、体力が追いつかない」とか、60歳を過ぎると給与が下がるのだが「給料が下がってまで働かされるのか」と不満が収まらない。  私の定年も64歳となり、「人生設計」が多少ずれた感はあるが、同僚が漏ら

          【エッセイ】 風味を保っているココア

          【エッセイ】 年頭にぼんやりと…

           災害、事故。年初からいい話題のない2024年となっている。  「おめでとう」「今年はいい年に」と、帰省してきた親族とご馳走を囲んで年越しをした数時間後に、大地震が起こり、暮らしを失い、財産を失い… 元日が命日となった方もたくさんいらっしゃる。まさに「天と地の差」を元日から投げかけられた残酷に胸が詰まる。    答えのない話をする。  改札を出て、百貨店に向かって地下コンコースを歩いて行く。いつも人が多く、かき分けて、かき分けて進まなければならない場所。そこに、壁際に座り込

          【エッセイ】 年頭にぼんやりと…

          【エッセイ】 チーズの厚み

           箱に入った丸いカマンベールチーズは、六分の一とか弧を描くように切り分けてつまむけれど、箱から出して丸いまんまのカマンベールチーズにかぶりつきながら、パソコン作業をしている人がいる。しかも新幹線のA席で!  嫌悪感や忌避感はない。なんか微笑ましい。  時を惜しんで必死に作業をしなきゃならない場合もある。そんなときは、頭脳にも気持ちにもエネルギーが必要で、エキナカのコンビニのバームクーヘンやチョコレートより、ちょっと塩気が効いて、嵩はないけど満足感のあるものの方が気分だったりす

          【エッセイ】 チーズの厚み

          【エッセイ】 蕎麦呑みの名店

           BS–TBSの『町中華で飲ろうぜ』を、前番組の延長で見るともなく見てしまう。高級中華料理店ではない素朴な店構えとお料理に、行ってみたい気持になる。    最近は「町蕎麦」「町鮨」と「町」のついた新語が増え、『dancyu』 では22年12月号でそれを取り上げていた。『町中華で飲ろうぜ』は中華を食べながらお酒を飲む番組だが、この『dancyu』でも今年の9月号で「蕎麦呑みの名店」と特集した。  蕎麦好きで、たまにふらっとお店に入って「もり」をいただいてさっと出てくる。しかし、

          【エッセイ】 蕎麦呑みの名店

          【エッセイ】 空と風と時と

          二十歳くらいのカップルがいて…  くまざわ書店はネットで欲しい本の取り置きができる。月に一度のポイント3倍デーを狙って、それを取り行った。3倍のついでに他に何かないかと眺めていたら、小田和正さんがステージで歌っている表紙の本が目に留まった。『空と風と時と 小田和正の世界』。帯には「誰も書けなかった、初の評伝 全632ページ!」とまで書いている。手に取ると厚い。4センチくらいある。捲って見ると、幼少時のこと、東北大学時代、オフコース、ソロになって今までと、小田さんのすべてが書

          【エッセイ】 空と風と時と

          【エッセイ】 “バジルチキン&トマトモッツァレラ 石窯フィローネ”

           スターバックスなのに…  昨日は5メートルくらい離れたお客さんのタバコの臭いが伸びてきた。閉口した。  今夜はイタリア料理店のようなニンニクの香りが漂っている。これは心地いい。「この香りはメニューの何ですか」と聞いてしまった。“バジルチキン&トマトモッツァレラ 石窯フィローネ” だそうで、ニンニクではなくバジルの香りのようだ。そういえば、バジルである。  コーヒーなんて、わざわざ着替えてここに来なくても家で飲めばいい。とっておきの豆も数種類買ってあるのだから。  でも、夜

          【エッセイ】 “バジルチキン&トマトモッツァレラ 石窯フィローネ”

          【エッセイ】 マニキュアを落とす月曜日

           月曜の朝、仕事に差し支えるから、週末につけていたマニュキュアを落とす。  月曜の気忙しい朝でなく、前日の夜に落とせばいいに…  でも、せっかく塗ったマニュキュアを落とすのはもったいない。結局、いつもこの朝にしてしまう。  塗るときは、ムラがでちゃったり、爪の脇にはみ出ちゃったり、丁寧に仕上げるつもりで重ね塗りなんてしちゃうと、乾いたつもりでいたところがグジョっとしちゃうこともしばしばで、男たちには分からないだろう苦労がここにある。  それなのに、落とすのはあっけない。ラメが

          【エッセイ】 マニキュアを落とす月曜日

          【エッセイ】 もとまちユニオン②

          子どものころの記憶  子どものころに初めて見た風景は、猛烈に覚えている。    もとまちユニオンを出て、山下公園へ歩いた。 明治屋ストアーから山下公園へ  山下公園へ曲がる角に明治屋があった。私が初めて横浜に来たのは小学2年生のとき(1974年)だったが、山下公園への途中に明治屋に寄った。田舎には八百屋や魚屋の大きいのしかなかったので、菓子や缶詰がきれいに並べられ、外国のものが多かったのが小学生の私に新鮮だった。  その明治屋は、私が大人になって、時々横浜に来るようにな

          【エッセイ】 もとまちユニオン②

          【エッセイ】 SDGsとスキンケア

           スーパーのプライベートブランドの洗顔料を使っていた。  適当な年齢になると、”てきとう” にしていたスキンケアも細やかにしなければならないと強く思うようになった。  スキンケアに気配りするなら、ナショナルブランドを使えばいい話だが、そうそうお金も使えないので、プライベートブランドを買っていた。それが悪かった。  ボトルの中身がなくなったので買いに行くと、それが売ってなかった。  そのお店でたまたま品切れだったのかと、違うお店に行ったがない。  同じ看板を掲げているスーパーで

          【エッセイ】 SDGsとスキンケア

          【エッセイ】 もとまちユニオン ①

          ♬できたばかりの根岸線で君に出会った  横浜が好きで、横浜に住みたいと思う。  久しぶりに横浜に行った。  元町に行きたいと思った。根岸線に乗った。小田さんの「♬できたばかりの根岸線で君に出会った」というフレーズがずっと頭に流れている。  山手駅で下車して、改札を出ると景色が違うのに唖然とした。元町に行くには石川町だったのに…  石川町まで歩こうかと考えたが、駅名が「山手」だけに、駅の出口からいきなり坂っぽかったので、改札に引き返した。改めて上りホームへの階段を上がった。

          【エッセイ】 もとまちユニオン ①

          【エッセイ】 世界一おいしいパン ~山梨、恐るべし!~

          市川三郷町  清真堂の「はちみつバター」めずらしく食べ物の話…  InstagramやXで食べ物を並べるのは、私はあまり好きでない。  地方にいると、ローカル番組やタウン誌はグルメの情報ばかりで、地方はそんなに話題に乏しいのか? 関心はそれしかないのか? と寂しい気持ちになってしまう。  そんなことを常々考えているが、今日はパンの話をしたい。  お気に入りのパンを、「このパンが、世界で一番おいしいと思うんだよね…」なんて豪語すると、「世界のパンを食べつくしたわけでもないの

          【エッセイ】 世界一おいしいパン ~山梨、恐るべし!~