<日本灯台紀行 旅日誌>2021年度版
第9次灯台旅 出雲編
2021年4月18.19.20.21.22.23日
出雲旅三日目
2021-4-20(火)快晴。5:30 過ぎに目が覚める。昨晩も、一、二時間おきにトイレに起きる。眠りが浅い。6:30 起床。洗面、朝食・牛乳、バナナ一本、おにぎり二個。排便・少し出る。昨晩も、注入剤を入れたので、痔は少し改善。違和感はない。
7:40 出発。ナビの履歴画面を開き、美保関灯台をタッチした。そう、今日は境港の先にある、灯台50選にも選ばれている美保関灯台の撮影だ。走り始めて、すぐに、ファミマでコーヒーを買った。¥100。このあたり、ファミマとローソンはよく見かけるが、セブンはほとんどない。
国道9号線を宍道湖沿いに、松江方向へ向かう。大きな湖で、そうだ、シジミの養殖で有名なんだ。<宍道>という漢字も最初読めなかったが、昔の記憶がよみがえったのだ。おそらく<シンジコ>がなまって<シジミ>になったのだろう。9号線は、ほとんど信号がなく、走りやすい。松江の市街地が見えてくるあたりで、9号線から有料道路に入る。と、いきなりの高速運転なので、ちょっと怖かった。
というのも、<スイフト>という車は、80キロくらい出すと、ハンドルがロックされる感じがしたのだ。さいわい、70、80キロで走っていても、後ろからあおられることはなかったし、地元の車も、さほどスピードを出していない。愛知県を走った時とは大違いだ。
有料道路から山陰道へ入ったようなのだが、出る時に料金は取られなかった。高速道路だが無料区間らしい。ちなみにこのルートは、松江の市街地を迂回して美保関に向かう、いわばバイパスだな。
ただし、有料道路を下りてからの一般道が長かった。そもそも、ナビでは、泊っている宿から美保関灯台まで、54キロ、1時間40分も、かかることになっている。距離は、さほどでもないのに時間がかかるらしいのだ。
事前にグーグルマップでみた、境港へと渡る大きな橋が見えてきた。その後は海沿いの道、防波堤灯台や浮標なども見える。景色がいい。そのうち、観光地っぽい漁港が見えてきた。ここには、たしか行燈型をした灯台のようなものが防波堤に立っている。さらに走る。と、道が急になり岬の上にのぼる感じになる。
10:30 美保関灯台到着。ほぼ二時間かかったわけで、少し疲れた。駐車場は広く、無料。案内板に従って、少し歩いていくと、灯台の頭が見える。さらに近づいていくと、塀で囲われた敷地内に、何やら建物(灯台カフェ)があり、その奥に灯台がある。
敷地内に入る。灯台50選に選ばれている割には、大きな灯台ではなく、前回の旅で訪れた紀伊半島の<樫野埼灯台>によく似ている。しかし、こっちは階段もなく、上にも登れない。それに、灯台の周りに大きな木や建物などがあり、まったく写真にならない。
灯台正面の<引き>もほとんどなかったが、広角で、かろうじて全景を取った。ただ、そうすると、レンズのゆがみが激しいので、モノにはなるまい。それに、灯台本体に電線がかかってしまう。最悪のロケーションですな。二時間かけてきたのがバカみたいだ。
敷地内での灯台撮影は、早々に諦めて、すぐに敷地外にでた。海側に展望スペースがあり、そこからふり返って、灯台を見ることもできる。が、塀と建物が灯台本体の下半分を隠しているのだから、なんとも中途半端な絵面だ。あとは、駐車場から灯台へと向かう道からのショットで、ま、これが一番まともかな。それにしても、がっかりだ。
12:00 いったん引き上げ。下に下りて、美保漁港の防波堤行燈などを撮る。さらに戻って、境港に入り、緑地公園の境港防波堤灯台や台場公園の復元された境港灯台、岸壁際の赤白だんだら灯台などを撮る。暑い、スポーツ飲料¥140を買う。
残念ながら、この四つの灯台の撮影記録は、メモ書きにも残っていない。いまさら思い出すこともできないし、思い出すための努力もできそうにない。もっとも、撮った写真があるので、それを見ながら再構成できないこともないが、今回はやめておこう。なにしろ、努力する、という気力がないのだから。
15:00 過ぎに美保関灯台に戻る。陽が少し傾き始めた。ゆっくり一回りして撮る。何度撮っても写真にはならん!
16:30 引き上げ。途中ファミマでおにぎりなどを買う¥480。18:30 ホテル着。風呂。旧友へメール返信。食事・おにぎり二個、バナナ一本、餡ドーナツなど。カップ麺も食べたかな?20:00 消燈。走行距離147キロ。美保関灯台の気に入った写真が撮れなかったので、無駄足したような気分になっていたのだろう、メモ書きもあっさりしたもんだ。
出雲旅四日目
2021-4-21(水)快晴。これで三日連続。6:30 起床。洗面、朝食・おにぎり二個、バナナ一本、クロワッサン、牛乳。8:00 出発。ナビを日御碕灯台にセットする。ファミマでコーヒー¥100。
9:00 日御碕灯台着。きょうはどこにもよらず、一気に走った。というのも、午前中の九時から十一時の時間帯の日御碕灯台は、まだ撮っていないからだ。チェックした撮影ポイントを、きっちり歩き撮りした。修学旅行の生徒たちだろうか、灯台見学に来ていて、やや騒々しい。
ちゃんと撮れたのだろうか、それとも、お昼前後の時間帯は、すでに撮影済みだと思ったのだろうか、11:00 移動。出雲大社へ行く。灯台からはほんの十五分だ。立派な神社で、入口の門の太いしめ縄?が印象的だ。案内板の由緒書きなどは面倒なので、目を通さなかった。なにしろ、大国主命を祭っているのだ。いわゆる大黒様だな。
ここにも修学旅行の生徒が来ている。ただ、境内が広いので、さほど気にならないし、騒がしい感じもしない。それよりも、一般の観光客が、思いのほかたくさんいた。それと、門前や、駐車場の辺りに、何件か、構えのいい出雲蕎麦屋があった。だが、食べる気にはなれなかった。観光地の蕎麦屋がうまいはずがない、という偏見だ。
13:00 日御碕灯台へ戻る。いやその前に、出雲大社からの帰り道、きれいな海岸があり、しかも、波打ち際に大きな岩山がある。景観だ。寄ってみた。
稲佐の浜に弁天島。何か神話的な由来があるようだ。靴に砂が付くのが嫌で、砂浜には下りなかった。車が汚れるからね。もっとも、防潮堤際からでも十分絵になる写真が撮れる。ただし、ここにも観光客が結構いて、みな岩山の前で記念撮影などをしている。なかには、抱き合ってポーズを取っている。臆面もない!
さてと、日御碕灯台の午後の撮影だ。直射日光の厳しい中、また、灯台の周りを、歩き撮りした。午後の一時から三時半までの時間帯が、いまだ撮影していなかったのだ。何回か歩き回った所なので、やや義務的な感じで、シャッターを押し続けた。
15:30 ウミネコの島、経島の展望台まで来た。と、すぐ横にいた女性から話しかけられた。この中年女性は、先ほどから、目の端に映っていた。一人で灯台観光にきているようだ。やや太めの女性で、こちらから、あえて話しかける気にはなれなかった。だが、チラチラ見ていたのを、彼女に感づかれたような気もする。
彼女は、いきなり、ほらそこに、とすぐそばに降り立ったきれいな鳥を指さした。俺に教えてくれているのだ。おそらく、俺の持っているニコンのデカい一眼を見て、海猫を撮りに来たのだろうから、鳥に興味があるのだろうと思ったに違いない。
その後、いろいろと立ち話した。マスクをして、黒っぽい眼鏡をかけていたから、顔はよくわからない。だが、大柄で下腹がすこし出ているとはいえ、洋服の趣味はいい。母親の眼病手術のお守りを近くの薬師様にもらいに来た。そのついでの灯台観光らしい。山口県の角島灯台にも行っているようで、行くことを薦められた。名古屋から飛行機で来ていて、日帰りらしい。
一応こちらも、灯台や花の写真を撮っていること、四国を歩いたことなども話した。四時過ぎまで、展望台で立ち話していた。オヤジの灯台巡り一人旅だ。女性と話すのも一興だろう。ただし、目が覚めるような美人でなかったのが、少々残念だった。六時の飛行機で帰るというので、最後に、HP用のカードを渡した。果たして、自分の写真や文章を見たのだろうか、定かではない。
16:30 車に戻り、中で休憩。靴も靴下も脱いで、お菓子類を食べたと思う。17:30 日没の撮影開始。とはいえ、なんだか疲れている。集中力がない。
ところで、間の抜けた話だが、今日までの二日間、まるで気づかなかった撮影ポイントを、いまさっき来た時に発見した。それは駐車場のトイレ脇からホテルへとつながる小道だ。私有地だからということで、確かめもせず、ブラインドになってしまったのだ。
小道の崖際には、腰高の立派な柵があり、灯台の正面が見える。かなりいい。灯台に日没を絡めるには絶好の位置だ。ただし、木々の枝などがあり、ベストポイントは、ほぼ一か所だ。ところがだ、先客がいる。
一人はスマホで撮っている男、これは観光客で問題はない。問題はもう一人のワイシャツ姿の会社員風の男だ。彼は、でかい望遠レンズをつけたカメラを手にしていて、手持ち撮影だ。ま、仕事帰りに日没を撮りに来たのか、役所関係の広告写真を撮りに来たのか、その辺は定かではない。もっとも、都合のいいことに、ベストポイントには二人ともいなかったので、早速、そこに三脚を立てた。
陽は次第に下に落ちてきて、今や灯台の左脇、大きな松の枝の中にある。だが、このままいくと、灯台の後ろに沈んでしまうことになり。灯台と落日を絡めることができない。会社員風の男性に声をかけて、日没の位置を聞いた。
地元のアマチュアカメラマンで、よく撮りに来ているらしい。こっちの方がいいと言われて、場所を移動。ただし、灯台との正対が崩れる。ま、いいだろう。少しその男性と話しながら撮影する。たしかに、灯台と落日は絡めることができた。だが、松の枝などが画面に入ってきて、ややうるさいのだ。
陽がほぼ沈みかけたころに、音もなく、三脚を持ったおじさんが現れた。そして、迷いもせず、灯台撮影のベストポイントに三脚を立ててしまった。男性とは知り合いらしく、男性は移動、今度は、二人して、数メートルほど離れた所で世間話をしながら、写真を撮っている。
これには参った。落日の終わった灯台の背後の空がきれいなのだ。しかし、ベストポイントは占領されている。しかも、なかなか立ち去らない。埒が明かない。移動して、下から撮ることにした。男性にお礼を言って、その場を立ち去った。
灯台の横位置から、いろいろ撮って、辺りが真っ暗になってから、再び、さきほどの灯台正面の小道に戻ってきた。流石に、地元のアマチュアカメラマンたちの姿はなかった。ライトアップされ、七色に変化する灯台をゆっくり撮った。<週末ライトアップ>と灯台のHPには告知されていたが、平日もやっているわけだ。ま、これはこれで一興だな。
21:30 引き上げ。岬から下る急な夜道も、これが最後だと思うとさほど苦にならなかった。下に下りて、少したって気づいたことだが、今晩は、今まで走ったことのない道をナビが指示している。ま、いいや。途中で、ローソンがあり、夕食用の唐揚げ弁当と、明日の朝食用のおにぎり二個、あんパン、牛乳を買った。ここのレジのおばさんが、ややつっけんどんで、明らかに、いやいやながらのパート仕事というのが顔に出ていた。
21:20 ホテル着。腹が減ったような気がして、まず食事をした。そのあと風呂、日誌をつけ、寝たのは23:30 分過ぎだった。走行距離72キロ。ライトアップされた灯台の正面構図を撮ることができたので、気分はよかった。千載一遇の機会を逃さず、写真をモノにすることができた。昨晩とは大違いだ。十分満足していた。
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