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中学の部活動で受けた屈辱⑤

S先生のAチームへの肩入れは日に日に増すばかり。同じチームであるにも関わらず、Aチームだけ遠征して練習試合、Bチームは学校で練習というスケジュールが多くなりました。そのような日々が1か月ほど続き、久しぶりにA・Bチーム合同で練習試合を行うことになりました。試合会場である相手の中学校に到着し、全体でアップを始めます。練習試合は基本的にA→Bの順番で行うので、Aチームのメンバーは早々にアップを終了し、試合の準備をします。試合時間が近づいたとき、Aチームの姿を見て驚きました。

Aチームは私たちの知らないユニフォームを着ていたのです。どうやらS先生は代々使用しているユニフォームを好んでいなかったらしく、Aチームのみの練習試合の際に、新たに作成したとのこと。変更したことはBチームは知りません。AチームとBチームでユニフォームが違うというありえない状態の中、練習試合が行われました。相手の顧問の先生はどのように思ったのでしょうか気になります。

時間は流れ、先輩主体のAチーム、そしてS先生にとって最後の中学総体がスタートします。私たちの中学校は一応強豪校だったので、1回戦から順当に勝ち続け、数年ぶりの県大会出場を決めました。県大会1回戦は、優勝候補として名前の挙げられる中学校。苦戦が強いられることは確実。もちろん私たちBチームは蚊帳の外。部活動はA・B関係なく全員が主体です。県大会までの試合でも、試合前のミーティングはもちろんのこと、試合後の輪にも入れてくれませんでした。県大会1回戦も試合前ミーティングは「お前ら関係ないから」という理由で入れてくれず、観客席で応援となりました。

試合結果としては、1‐0で惜敗。これで3年生とS先生は引退となりました。Aチームのメンバーは試合後ベンチで泣き崩れています。コートでは次の試合の準備を行うので、ベンチから荷物置き場に移動しました。泣き崩れるAチームにS先生は何か語りかけていますが、その輪に入れない私たちは遠くからしか見ることしか出来ませんでした。

Aチームのメンバーも立ち直り、帰り支度を始めました。S先生も最後なので、私たちBチームも一応挨拶に行くことにしました。S先生に近づくと明らかに怪訝な表情になるのが見て取れます。お世話になりました、ありがとうございましたと挨拶をすると、S先生は「はい。」の一言。Bチームは最後の最後まで扱いが酷いままでした。

S先生が去り、平穏な日々が訪れることを期待しました。ですかS先生が残した悪しき風習は我々を引退まで苦しめるのでした。

続く・・・


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