鯛はただ筋骨強くなしにけり心腎弱き人によきもの - 養生やまと歌 008
鯛も虚弱な方に特におすすめの補益食材になります。五蔵を補い、気血を益す作用があったりと、本草学的には魚類の中でトップクラスの効能です。
江戸時代の本草書『本朝食鑑』には、乳房がしなびて垂れ下がってしまった授乳婦が見事復活した、以下のようなエピソードも記載されていました。
ある授乳婦は、体が虚弱で食が細く、母乳が出ず、乳房がしなびて垂れ下がってしまっている状態だったが、味噌と酒粕で鯛の肉を煮て食べると、3、4日して乳房が張り、湧き出るように乳汁が出るようになった。
(又一乳婦有り。体怯にして食少なく、乳汁通ぜざりて双房衰垂す。遂に未醤、酒粕と同じく鯛肉を煮て食らう。三四日を経て双房張起り、乳汁湧くが如し。)
『本朝食鑑』巻八、鱗部(国立国会図書館所蔵本、書き下し、意訳は筆者による)
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養生やまと歌とは
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