地震、経営難…。すべては苦しんでいる人たちのために。大相撲で石川県出身の大の里が史上最速Ⅴ。ラグビーリーグワンは東芝BL東京が初優勝
地震、経営難…。苦しんでいる人たちのために捧げた優勝となった。大相撲夏場所で、小結大の里が初土俵から史上最速の7場所で賜杯を手にした。ラグビーリーグワンでは、東芝ブレイブルーパス(BL)東京が初Ⅴ。石川の地震で被災された人たち、東芝の経営難で苦しむ人たちへ捧げた優勝となった。
大の里は23歳。昨年の夏場所。所要4場所で幕内入りを果たすと、さらに番付を上げ続け、わずか1年で小結に。そして、今場所は12勝3敗と自己最多の勝利を挙げて賜杯を手にした。
初日に横綱照ノ富士を下したほか、大関の琴桜と霧島にも土を付けた。途中で3敗を喫したが、12日目からは4連勝と押し込んだ。
優勝のかかった千秋楽では、関脇の阿炎をわずか3秒で土俵の外へ押し出した。幕下付け出しの力士として、最速の7場所目で優勝を遂げた瞬間だ。
大の里は石川県出身。県出身の力士では1999年名古屋場所の出島以来25年ぶりの優勝となった。
元日に発生した能登半島地震。石川県では今も3500人が避難生活を強いられている。優勝を決めた後に、大の里は「こうやって優勝する姿を石川県の方に見せることができたのは本当にうれしい」と安堵した。
一方のラグビーリーグワンは26日、東京・国立競技場でプレーオフトーナメント決勝が行われた。東芝BL東京が埼玉パナソニックワイルドナイツを24-20で下して初優勝を飾った。
国立競技場にはリーグワン最多となる5万6486人の観客が熱戦を見守った。ここには東芝ラグビーの復活を願う人たちの姿が大勢いたはずだ。
2022年に発足したリーグワンで、東芝は優勝経験なし。リーグワンの前身、トップリーグ以来14季ぶりの優勝をめざしていた。
東芝は前半27分にナイカブラ選手がトライを決めるなどして前半を10-6でリードした。後半30分に一度は逆転されるものの、34分にCTB森勇登選手が中央にトライを決めて再び勝ち越した。
チームの主将にはリーチマイケル選手が10年ぶりに復帰。日本代表の顔とも言える選手がチームを引き締めた。また「オールブラックス」ニュージーランドのSOモウンガ選手がトライにつながる演出を何度も見せた。
東芝は経営難で最大4000人の人員を削減することが発表されている。苦しい環境で働く人たちへ、東芝ラグビーがエールを送る優勝となった。
すべては苦しんでいる人たちのために。大の里と東芝BL東京の優勝で、一人でも多くの人にエールが届いてほしいと思う。
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