イングランドが25年ぶり4強入り!サッカーの「ウィンブルドン現象」は免れた。ウクライナに4発圧勝。欧州選手権
イングランドがサッカー欧州選手権で25年ぶりに4強入りを決めた。四半世紀前は自国開催。今回は広域開催だが、準決勝以降はイングランドで行われるので、実質、「自国開催」となる。過去、決勝の舞台で戦ったことのないイングランドが、未開の領域へ進むことはできるのか。
まずは、イングランドのファンは、サッカーの「ウィンブルドン現象」とならなかったことに、胸をなで下ろしているだろう。
「ウィンブルドン現象」とは元々テニスが由来の言葉。テニスの国際大会と言えば、英国のウィンブルドン選手権がもっとも有名。ただし、これだけ有名な大会なのに、かつては地元選手の活躍がなく、外国人選手が中心の大会となっていた。そのため、英国の「場貸し」となっていたことを揶揄する表現に使われている。
今回、競技は違えど、サッカーの欧州選手権も準決勝と決勝は英国の首都ロンドンで行われるため、外国の代表だけで行われる懸念もあった。グループステージの試合などもロンドンで何試合か行われてはいたが、やはりクライマックスの準決勝以上に地元勢がいないと物寂しい。
しかし、そんな不安は杞憂だった、今大会、イングランドがグループステージを含めて、無失点、無敗で準々決勝まで勝ち進んだ。
そしてベスト4を決める戦いは、広域開催のため、イタリア・ローマで行われた。イングランドは開始早々に先制点を挙げると、後半も3点を追加するゴールラッシュ。4-0でウクライナを撃破して4強入りを決めた。
そのうち、エースのケイン選手が前後半に1点ずつ奪い、ここにきて復調気配だ。自慢の堅守も健在。この大会、5試合連続で「クリーンシート(無失点試合)」となった。
イングランドは、欧州選手権では決勝を戦ったことがない。未知の領域へ足を踏み入れるため、準決勝でデンマークと対戦する。
戦いの場はロンドンのウェンブリースタジアム。これまでウェンブリーでの試合は入場制限が設けられていた。グループステージでは2万2500人、決勝トーナメント1回戦で4万5000人だったが、準決勝以降は6万人以上が入場可能となる。これだけ入場者が多ければ、ホームで行うアドバンテージは大きくなるはずだ。
ワールドカップの優勝は1966年の一度きり。その時も自国開催だった。悲願の欧州選手権制覇へ、またとない好条件のビッグチャンス到来だ。
イングランドの快進撃は初Vという大団円で幕を閉じるのか。これからも見守っていきたい。