現役納棺師が教える。納棺師って何するの?
友人のお子さんが宿題で"仕事を知る"というのがあり、是非私の仕事を紹介してほしいと連絡ありました。
確かに子どものみならず、大人も知らない人が多い。
映画「おくりびと」で大抵分かることもあるけど、実際どうなのか?と気になる人も居ると思うので書きます!
宿題内容の項目に合わせて解説していきます。
①職業名
納棺師(湯灌師)
②仕事内容
私は納棺師でもあり湯灌師でもある。
勤める会社、地域によって違いがある。
湯灌師は亡くなった故人様の体を清めるためにお風呂または体を拭いてあげる。
納棺師は亡くなった人の顔や体の状態を確認した後、適切な処置を施し故人に合ったメイクと着替えをしてあげて、棺に納める。
工程はどちらも同じです。
遺族が故人様にお風呂を入れさせてあげたいとなったら、納棺式の一つに湯灌が入る。
お風呂はいらなくて、着替え・メイクだけで良かったら納棺式のみなる。
お風呂は簡易的なものです。
湯船に入ると言うより、ハンモックのようなネットの上でシャワーを浴びるような感じ。
③どのように仕事に就くか
資格はいらない
でも一から勉強したい人は学校に行くのも◎
・葬儀専門学校で一から学び就職する(納棺師専門もある)
転職を得て納棺師になる人も多い。
・納棺師会社に勤めて現場で一から教えてもらう(未経験・学歴不問OK)
研修期間(3ヶ月以上)先輩と同行し
技術面、接客面の習得を行う。
④どのような人が向いてるか
・人の悲しみに流されない(感情移入しない)
・思いやりを持っている
・タフな精神力を持っている
・体力に自信がある
・任されたことをやり通す力がある
特に厳かな雰囲気の場面がたくさん出てくると時に
自分がそれに流されずに感情移入しないか重要。
もちろん悲しい時
自分のコントロールが出来ない時
一緒に泣いても大丈夫。
私も涙目になりながら頑張ってました・・・
⑤その他
人は必ず死ぬ。
無くならない仕事の一つでもあるので
需要はあると思う。
事件、事故、病死など様々な理由で亡くなった人がいる中で、普通の顔や体じゃない状態を目にすることもある。
どんな理由であっても、亡くなった人の尊厳を大切にし遺族の前でちゃんとお別れをしてあげられる状態にする。
これもグリーフケア(悲嘆療法)の一つ
納棺式は故人様と触れる最後の機会。
手や足がこんなに細かったかな…
この傷はあの時のだったよね…
そんな風に故人様と触れるだけで
思い出を語り、それを遺していく。
ちゃんとお別れが出来るような雰囲気を
創り上げるのも納棺師で大切なこと。
そして、とても感謝されるやりがいのある仕事。
納棺師はやる気さえあれば誰でも出来る。
誰でも出来るけどやらない・やりたくない仕事はたくさんある。
納棺師になりたいと言う人は
他の人が持ってない強さや自信があるのだと思う。
いつか将来の夢は納棺師になること!
って言う子どもが増えたら良いなぁと密かに思いました。