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それでも地球は曲がっている & 蕎麦でも気球は浮かんでいる

二作品、続けて読んでください。
もちろん、それぞれ独立した作品にはなっています。

「それでも地球は曲がっている」

地球上にはまだ科学で説明できないことがたくさんありますよ!

秋空に、風に乗って気球飛んでいる。
ゴール地点に向かって一直線に進んでいる。
乗っているのはSF作家を目指す青年と先輩である科学者だ。

現代の科学じゃまだ証明できないことが沢山あるんです。
とSF作家は息巻いている。

まず、この気球のです。
風に乗って直線に進んでいると感じてますが、実際には歪んでる空間を進んでいる可能性があります。

バミューダトライアングルや、重力レンズ現象のように空間が歪むことで、時間や位置の感覚が狂うことがあるのです。
現代の科学では説明できない現象が起こるのも不思議じゃない。
それが今、僕たちに起こったんです。

今見たでしょう?
僕たちは一瞬、江戸の夜空を飛んだんですよ!
錯覚ではなく、時空のゆがみを抜けた結果だったんです。
それでも、僕の言っていることが非現実的だというんですか?

偉い科学者の先生たちがなんと言おうと、
それでも地球は曲がっているんです!

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文字数:407字
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「蕎麦でも気球は浮かんでいる」

えー、秋の夜長に一人で月見そばをするってのもなかなか風流でしてな。
そばにポンと卵を置いてズルズルって。

江戸にある長屋の縁台に座って名月を愛でながら蕎麦をすする親父。
この親父がまぁ一癖あって、風流人を自称してるもんだから普通の月見そばじゃ物足りないねぇ。
どんぶりの汁に映る満月を愛でながらズルズル。
これが風流ってもんよ、これが本当の月見蕎麦よ!
なんてまた得意げに。

兎に角ズルズルやってると、あれ、月がなんかおかしいって気づいた。
汁に浮かぶ月が妙に歪んでいる。
変な格子模様だ。

こりゃなんだ?
と、今度は空に目線を移す。
そこには満月、ウサギも元気にペッタンペッタンやっている。
なもんで気のせいかと、残りの汁をズズッと飲み干したわけよ。

でもね、汁に映ってたのは実は未来の気球だったんだなぁ。
江戸の夜空に未来が一瞬映り込んだなんて、そんなこんなたぁ親父さんには分からない。
蕎麦ズルズルやりながら、何事もなかったかのように風流を気取ってるわけだ。

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文字数:416字
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