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ガンダムと私(ブライト・ノア編)

機動戦士ガンダムの歴史の中で
これほどの名脇役という男がいるだろうか…
一年戦争当時、彼は19歳で士官学校を卒業する。地球連邦軍士官候補生としてホワイトベースでサイド7へと向かう。
いわゆるエリート軍人
彼の名はブライト・ノア

だがサイド7にてジオンのエース、シャア・アズナブルの急襲を受け、ホワイトベースの正規軍人のほとんどが機能しなくなってしまう。そこでわずか軍歴6ヶ月のブライトは、ホワイトベースの艦長代理に任命された

その後は多くの民間人を指揮しながらサイド7を無事脱出し、正式に艦長に任命されたブライト。


数あるエピソードの中で、私の中で印象深いシーンがある
ガンダムの物語の主役アムロとのやりとりだ。

アムロを殴るブライト
出撃を拒否するアムロをブライトは殴りつけるブライトとそれに反抗するアムロのやりとりの台詞

(バシッ)
アムロ 「…な、殴ったね」 

ブライト「殴ってなぜ悪いか?貴様はいい、そうしてわめいていれば気分も晴れるんだからな!」 

アムロ 「僕がそんなに安っぽい人間ですか?」

(バシッ)

アムロ 「二度もぶった! 親父にもぶたれたことないのに!」 

ブライト「それが甘ったれなんだ!殴られもせずに一人前になったヤツがどこにいるものか!」

アムロ 「もうやらないからな! 誰が二度とガンダムなんかに乗ってやるものか!」
機動戦士ガンダム第9話より


親父にもぶたれたことないのに
殴ってなぜ悪いか

敵の戦艦ガウが目前に迫る中、このとき若干15歳の少年アムロが出撃を拒否をする
 
幼なじみのフラウボウのは説得しようとするが耳を貸さず、とうとうブライトと衝突する。
 
ガンダムを動かしたくて動かしてる訳ではない!そう言うアムロにブライトは平手打ちをする
 
疲労とストレス、そして若くして無理やりガンダムに乗らされている状況のアムロ
しかしこの時ブライトも19歳、未成年である。
艦長代理としては荷が重い
 
軍事経験も薄いまま、素人同然のクルーをまとめ、当然自身も何が正解かもわからずホワイトベースの舵を取る…
そのストレスは相当のものと考えられる
 自信も余裕もあるはずもない。
 
ガンダムのパイロット、アムロに頼らずを得ない状況で。
 
ガンダムに乗れれば自分で乗ってるだろう。
"乗りたくて乗っているわけではない"そうアムロに痛いところを突かれたのだ。
本音を言えばブライトだって艦長"代理"で、やりたくてやっているわけではない。

 
「貴様はいい、喚いていれば気が晴れるのだからな!」
 
ブライト本人も喚きたいのであろう
 
19歳の青年士官だ、皆の命を預かる身としては若すぎる、でも軍人としての責任もある。
 
そんなブライトにはアムロは甘ったれて見えるのだ(15歳なら甘ったれるのも仕方のないことかも)
 
戦争とはいえこの若い19歳の艦長にホワイトベースの乗組員をまとめていくことはできるのか‥

リュウ・ホセイの死が彼を変えた。

機動戦士ガンダム戦より
リユウホセイの特攻
ガンダム を守るためマゼラトップに突っ込むリユウホセイ


ランバ・ラル隊残党との戦闘で、リュウは特攻を敢行し戦死する
ホワイトベースの人々は号泣するしかなかった。ブライトも落胆は隠せない
「教えてくれリュウ‥俺たちはこれからどうすればいいんだ……」ブライトが泣き言を口にしたのは、後にも先にもこれ一度きりである。リュウはブライトと同じ数少ない正規軍人だ。
艦長とパイロットという立場の違いはあるが、信頼する戦友の死はブライトの指揮官としての気持ちに大きな変化を与えた。


かつてブライトは
ホワイトベースの方針を乗組員及び搭乗していた民間人に多数決で委ねた。
いち指揮官として、決断力のなさを露呈した。

周囲も頼りないブライトの行動に疑心暗鬼になっただろう。リュウの死が彼が変えるまでは‥

人は何かのきっかけで成長することがある。
機動戦士ガンダムという架空の物語の中で私はその瞬間を目撃したのだ。
いつの日からだろう
私は自分が成長するきっかけを探している。
でも、自分が変わろうと思わなければ、きっかすら見過ごしてしまうだろう。

ブライトはいつも“このままではいけない““変わらなくては“そう思っていたのだろう
自分の成長を望んでいたからこそ変われたし、成長できたのだ。

19歳の青年士官のこの後の成長は止まることはない。

活躍をガンダム の中の宇宙世紀に刻まれている。
脇役になりがちな彼に注目してほしい。



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