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何処までも遠く澄む空に青の果てを見た
その瞬間、肩の力が抜けました。強張っていた筋肉がふわりと弛み、灰色の視界が色彩を取り戻します。青の向こう側に集中するほどに、無限の三原色が世界を染めていくのを感じました。
木の幹は茶色。いいえ、そこにもあらゆる色彩があります。昇る日の光の移動に応ずるように、植物の表情は刻々と変化します。無機質に見えるアスファルトにも、その日その時の質感があることを知りました。それは心の現し身。主観的世界の有り様は、全ての可能性を提示します。
私は何と戦っていたのでしょうか。
その疑問に思考を滑らせると、漸く答えのようなものが姿を現しました。
私はきっと、過去と戦っていたのでしょう。
辿り着けない記憶の底。恐怖の根源は、いつか切り離した記憶の断片にあったのだと、私たちは顔を見合わせました。評価を下さず事実を言葉に替え、ただそれを其処に置いておく日々。ゆっくり時間をかけて、私たちは私を取り戻していきます。
ただ、もう少し時間が欲しいのです。
向き合うには、まだ恐怖の方が大きいから。外側から見たら分かりにくいかもしれないけれど、ひとつずつ積み上げるような、気の遠くなる作業なのです。結果を急かす足音が聞こえないように、そっと耳を塞ぎましょう。
心の紡ぐ旋律が、優しい音を奏でるまで。
拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の抱える苦しみが、いつか癒えて解けますように。
#今日やったこと #自分との対話
#眠れない夜に #脳裏に過ぎること
#エッセイ #詩のようなもの #今日も歩く #きっと明日も歩く
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