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考える幼稚園児

 今年は私の転勤や息子の転園もあって、環境が大きく変化しました。送迎の関係で会話する時間が長くなって、息子の気持ちや考えに触れる機会が飛躍的に増えました。

 その日、息子は言いました。

あのね、ぼく考えたんだけど、
毎日が特別だったらそれは特別じゃないから、
ときどき特別にすることにしたんだ。
頭で考えたんじゃないよ。心で考えたんだ。

 心と頭はどう違うの?

頭で考える時は、脳が動く。
心で考える時は、心臓が動く。

ドキドキってなったら、心で考えてるってこと。

例えば、僕はお休みが終わったら、幼稚園で何を研究しようかなーって頭で考えてるよ。

そうだ。
魚がどうやって動くのか研究しようかな。

饒舌な4歳児


 息子にとって幼稚園は研究する場所のようです。幼稚園で研究してきたんだ、といって色々な「発見」を教えてくれます。

 学びの原点を考えたとき、科学的に証明された事実よりも大切なのは思考のプロセスです。彼の芽を摘まないように気をつけながら、ゆっくり傾聴して思考の深化を促します。

 これが私の等身大。父親の正解なんて分からないけれど、私は自分を肯定し、息子と娘も肯定していこうと思います。

 
 そんなことを心で考える、夜。



 拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の思考が自由に伸びやかに育ちますように。




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渡邊惺仁
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