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「まぁいっか」の効用/振り返り雑記2022
年の瀬、すべてが慌ただしく動く頃。
この時期は十数年間、毎年目の回る思いで過ごしてきました。理由は様々ですが、なんといっても冬は呼吸器内科のハイシーズンだからでしょう。
寒くなると人は肺と心臓を患いやすくなります。
市中病院に勤務していた頃は最大で28名の主治医として奔走し、重症から軽症まで様々な病態を抱える方々と関わりながら年を越しました。研究機関や教育機関としての側面もある病院では忙しさの質が変わり、患者さんに関わる時間に加えて臨床研究や治療研究への参加、また若手医師や学生指導など多忙を極めました。
特にこの3年間はパンデミックの影響もあって臨床最前線の過酷な環境で働いてきたように思います。
今年は私にとって激動の一年で、大きな転換期になりました。
なんやかんやあって下半期から仕事量を大幅にセーブして半ば家庭に入り、家事育児に注力して家族機能を保持することに努めました。それは功を奏して、穏やかな日常を取り戻しつつあります。渦中には此処noteでも乱筆が続き、それにもかかわらず沢山の温かい言葉、寄り添う心をいただきました。この場をかりて改めて、深く深く感謝申し上げます。貴方の言葉が、私の再生と家族の再構築の大きな助けになりました。
さて、仕事の負荷が激減した私は、徐々に元々の自分を取り戻し、強くなってニューゲームのような感覚で少しずつ仕事に復帰しています。憑物がとれたようだ、とは上司からの言葉ですが、たしかに鏡の中の私も穏やかな表情をしています。
子どものこと家族のことを最優先に考えて動くことには変わりありませんが、ようやく外に出て仕事をする心の余裕が出てきたといえましょう。息子も娘も妻も、ずいぶんと表情が柔らかくなってきました。まだ不安定な部分も大いにありますから、これからも地道に歩いていきたいと思います。
中途半端に残してきた仕事とか、後輩の指導とか、気になることは色々とありますが、身体はひとつしかありませんから優先順位をつけねばなりません。
まぁいっか。
そう声に出して、深呼吸をひとつ。
この言葉には不思議な力があります。
「まぁいっか」と「まぁいいや」は似ていますが、後者は投げやりでネガティブな感情が伴います。「まぁいいか」よりも跳ねる「まぁいっか」は足取り軽やかに問題を問題ともせずちょっと横に置いて前に進むような気楽さがあります。
とある配信を聴いていて、乱発される「まぁいっか」に触発されてこの記事を書き始めたのは秘密です。もし配信者が「あ、これ自分のことだ」と気づいたとしても、きっと「まぁいっか」と流してくれることでしょう。重ねて感謝を。
白い巨塔のような世界で上を目指すのは、私のやりたいことと大きくズレているのだと実感しました。まぁいっか。ゆるく楽しくやりましょう。
来年は職場を変えようと思います。
異なる環境で新しい道を。
きっとそれがいい。
なんだか話が散らかってきましたが、まぁいっか。
そんなことを口にしていたら、最近息子も「まぁいっか」と言うようになりました。ちょっとうまくいかなくても、まぁいっか。大丈夫。道は続いています。
拙文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の抱える悩み事が「まぁいっか」の魔法で吹き飛びますように。
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