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trunk_chiyo
結婚式スピーチにみる医療業界の特殊性
『アフター5を楽しむようでは、
良い医者にはなれない。』
信じ難いことに、これは友人医師の結婚式で高名な某医師が行ったスピーチの一節です。
医者たるもの全てを医学に捧げて一人前だという旧時代的な思想ですが、振り返ると私自身も医者になって初めの数年間は、アフター5どころか1年間のうち24時間358日は働き続けていました。夜9時か10時頃に家に帰れたとしても、担当患者に何かあればすぐに私用の携帯電話にコールがかかり、指示を出しつつ病院に戻ります。夏休みの1週間を除いて、年末年始もない生活でした。
その頃の経験は医者としての私を大いに育てたとは思いますが、果たして昨今の若手医師に同じことを強要できるかというと、およそ現実的ではないと感じます。働き方改革と銘打たれる政策も、少なくとも現在の日本の医療水準を維持しながら適応することは絵に描いた餅でしょう。
春。
新しい職場に異動になります。
もちろん仕事のクオリティは保ちますが、勤務時間外は大いにプライベートを充実させようと思います。家事も育児も、執筆や占い業も、一層楽しみながらゆるく生きていこうと思うのです。
権力者や有名人の言葉は、思いのほか人の心に影響を与えます。上司と部下の関係にも、医師と患者の関係にも、親と子の関係にも、類似した構図があるでしょう。それは時に呪いとなって、受け手の人生に影を落とします。
もし、誰かの言葉が不快な棘となって心に傷を残しているのなら、どうかその呪縛がまやかしだと気付いて欲しい。
貴方は、貴方という価値を持っています。
きっと大丈夫。
拙文に最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。願わくは、貴方の生活に「楽しい」が溢れていきますように。
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