ケセラセラ 《詩》
「ケセラセラ」
昔日の繁栄の面影は
歴史の中に埋没する
祭りの花火の様に
強固に脈打つ現生的な栄光は
時間と共に
次第に色褪せ失われて行く
栄華と挫折を
一度に曝け出す過去を映す鏡
僕等は強い共同意識を持ち
外部との混在を否定し続けていた
ゆっくりと揺蕩うごとく流れる幻想
確固たる世界観の中に共存する夢
丘の上にある大きな鐘を鳴らす
不明確な旋律が
切れ目なく流れている
単調に繰り返される時間に
思考が失われて行く
情緒が視覚的に余白を生む
其処に文字を埋めて文脈を作り出す
安易な連帯感に浸り
安定を得る人々を
散文的な風が嘲笑う
ケセラセラ 僕等は歌う
自分を愛せるのは自分だけだと