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スリム•シェイディ 《詩》

「スリム•シェイディ」

本物のスリム•シェイディは
立ち上がってくれよな

ごく普通の俺なんて

誰も見たくないだろう

だから俺は奴を創り出したんだ 

偽物なんかじゃ無いぜ

本物のスリム•シェイディさ
模倣するのはやめてくれ


赤い口紅が唇からはみ出してる 

其処のお前

お前が最初にフェラした男の
名前を教えろよ

サイコパスとかジャンキーだとか

窓の無い部屋だとか

毎日 薬の数だけが増えて行く

サンドイッチに挟んで生温い珈琲で
身体に流し込む

俺が図書室で瞑想している間に

奴はトイレでFUCKする

逝かせた女の破れたストッキングを
ポケットにしまい

部屋に持ち帰ると大事そうに

机の抽斗に綺麗にたたみ納めている

呪いなんかじゃ無い 

お前が其れを望むからだ


頭から水をかけてくれないか

何故目覚めてしまったのか
少し考える時間が必要なんだ

お前は俺の愛を
受け取ってくれたのか

其れが俺にはわからない

男にフラれて自殺した女と

誰彼構わず不倫してる女と

嫉妬に狂い頭がおかしくなった女と

俺はお前を知らない 

奴はお前を知っている


全ての最悪を
4時間もかけて文章にした

お前は手首を切って

流れ出る血の量を毎日計測している

きっとお前は俺の女に嫉妬している
それだけの事

殺したいほど憎んでいる

其の女も今は車のトランクの中 

人形になってしまった

キュートなフェミニスト 

チャーミングな夕暮れ時

今のスピードくらいで丁度良いよな 

どうだろう

それから お前の座る席と
俺の席を変えてくれよ

嘘をつく必要なんて

もう 何処にも無いだろう

ピザを食べながら俺は
奴に手紙を書いている 

溶けたチーズが糸を引き
口のまわりに垂れている

別に構わないよ 

もう直ぐ書き終えるところだ

奴に届く様にと そう願いながら


皆さん聞いてください 

本物のスリム•シェイディは
起立してください…

そうアナウンスが聴こえる

煙草を一本 俺にくれないか 

何の銘柄でも構わないから


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