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名はいらぬ/ 散らかる文 青紗蘭

正しいことなど紙の上にしかなくて。
この世には悪しきことほど、わかりやすく、棚に列ぶようにあった。

涙を止めぬまま思いのまま流す。
溢れる涙に溺れてゆくのを微睡みる。

私の中には、枯れぬ桜がある。桜の眼差しが、私を射貫く。

「前に進め」
「迷いながら生き抜いてみせろ」
「先逝くものの言葉を思い出せ」

いきることは本能。
生きることは揺らぎ。
活きることは活かすこと。

私の活きるが、今すぐに反映されなくとも。
それは、いつか未来へ。

名など遺らない方がいい。
この先に未来があれば、私が粒子になっても何処からか、旅をしながら微笑むこと叶うだろう。

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