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地上に立つ僕は空に運ばれた
不登校の頃の僕は、外に出る機会が病院とか鍼灸院以外になくて、1週間に1回くらいしか外に出なかった。
久々に外に出ると、ものすごく眩しくて目が痛くなる。
それと同時に心もちょっと痛くなる。
なんでだろうね。
そんな僕でも良くなりたくて、情報を自分で調べながら試行錯誤する時期を迎えた。不登校になって1年くらい経ってからだと思う。体調も少しだけましになったから動けるようになったのかな。
調べれば調べるほど日光に浴びることが大切だとわかる。
日光って痛いんだよなぁなんて思いながら。
眩しい……。
それ以外の感想がない日光浴び生活が始まった。
最初は家の玄関を出て終わり。
次は家の前でノビをして終わり。
徐々にレベルアップして、数十分散歩をするようになった。
眩しいのは変わらないが、気持ちいいという感覚もあった。
前と比べたら大きな成長だと思う。
ふと立ち止まって空を見ていた。
遠くにあるのに大きくて、緩やかに風に流されて動く。
そういえば雲まで行ったことあるっけ?
あ、飛行機に乗って何回かあるな。
上から雲を見るのって面白いんだよな。
上から見た雲ってあんな感じなんだって、衝撃だった。
ほぼ毎日見ている雲なのに、その姿は人生で3回くらいしか見たことがないんだよな。なんて考えていた。
毎日見ている当たり前も1つの側面しか見えてない。
部屋はあんなに狭いのに、自分の世界全てだった。
今は地球全体、自然全体が自分の世界の全て。
この感覚が僕の重りを外してくれた。
雲に乗ってみたい。
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