見出し画像

花咲く和紙ハーブミックスができました

種から育てるということ

シードペーパーや花咲く和紙にも、通常の種子と同じように、種まきにふさわしい時期があります。春まき、秋まきという言葉もありますが、従来、秋の種まきは、多くの草花に適しており、また、春まきより虫がつきにくく育てやすい、と言われてきました。春まきは、植物によってですが、まき時が3月中旬から7月上旬までと長く、気温も上昇するので育てやすいというメリットがあります。

どちらの時期にしても、種から育てるのは、比較的育てやすい草花であっても温度や湿度の管理が必要で、私たちも発芽テストの際には、発芽するまでは乾かないようにラップや新聞でおおったり、発芽までは目が届くところに置いて管理しやすくしています。

ただ、この仕事を10年以上続けて感じるのは、このところの気候変動の影響です。人間も堪えるほどの厳しい暑さや湿度なので、薄々と感じてはおりましたが、ここ数年、外気のなかで秋まきの種の発芽条件を確保するのがかなり難しくなってきました。ここ鎌倉あたりでも今年の9月は温度が高すぎ、10月はまだ夏の暑さも残り、その後、急に寒くなったりと気温が安定しませんでした。

周囲の家庭菜園好きな友人知人からも、「いつもと違って、にんじん、玉ねぎのタネを3回まいてやっと芽がでた」などという話をききますし、自然条件で発芽させるには、発芽条件をよくわかった人が「今だ!」と適時を見計らってやる必要があり、その「適時」も今年は長く続いて1週間程度でした。

ただ、にんじんや玉ねぎと違って、草花の場合は、忘れた頃にひょっこり芽を出す性質の強さがあるので、シードペーパーはそのために草花類を使っています。

これまで、発芽率を検証するため、いろいろな種をすき込んで試作してきましたが、一年を通して発芽しやすく、喜んでいただける種の選定と、また、印刷にも適した品質にする、ということを両立するために、トライアンドエラーを繰り返してきました。いよいよ商品としてのシードペーパーと気候条件とのバランスも考えることになったのです。

花咲く和紙のハーブミックスを新発売

このようなさまざまな検証を経て、2025年は、バジルを中心にした花咲く和紙ハーブミックスを発売することになりました。

元々ハーブ系についてはリクエストも多かったこともありますが、スイートバジルの発芽率は85%以上と高く、発芽までの日数も短いので、みなさんに発芽を楽しんでいただけると考えています。暑さを得意とするハーブなので、気温が20℃を超えるゴールデンウィークを過ぎてから種まきします。食卓での馴染みも深い、使いやすいキッチンハーブで2ヶ月程度で収穫もできますので、夏までにはピザやスパゲティに添えることができるでしょう。

このように便利なバジルに加え、発芽温度が少し低くてもよいイタリアンパセリ、タイム、オレガノのなかから適宜ミックスし、春・秋ともに種まきできるハーブミックスとしました。パセリも最近では栄養価が高いハーブとして人気で、鉄分やカルシウムが豊富で特にビタミンEの含有量が非常に多く見直されています。 お料理のサイドに乗せるだけではなく野菜やトマトのスムージーに加えるのも美容と健康にいい組み合わせです。 タイムは肉や魚の洋風料理と一緒に煮込むブーケガルニとして、また臭みを消し、爽やかな香りを添えるハーブです。オレガノは、トマト料理と相性がよいハーブです。抗菌殺菌作用もあり、また消化を促し、胃腸の調子を整える効果があります。ハーブはもともと薬草なのでお薬の代わりに使われてきた植物です。 シードペーパーを土に還し、発芽を見守り育ててきたハーブを食用にしたりお茶にしたりして自分たちも健康になれば、本当に幸せな循環になりますよね。

スイートバジル

ハーブミックス紙の特徴

新しい「花咲く和紙ハーブミックス」の紙としての特徴は、種が大きく目立つので「種が入っています」とアピールしているような存在感があります。目で見える「タネらしさ」のある紙を楽しんでいただけたらと思います。そこに手作りの良さも感じていただきたいです。

2025年1月納品分より「花咲く和紙ハーブミックス」のご注文をお受けします。食品業界、レストラン、カフェなどのプロモーションや、集客イベントにもぴったりです。

もちろん、これからも、みなさまに好評の、花咲く和紙「ジャーマンカモミール」「みつばちミックス」も引き続き販売しています。「花咲く和紙クラフト」は受注生産ではありますが、ご注文可能です。

2025年は「花咲く和紙」が登場して3年が経ち、4年目に入る年として、紙の種類と、タネのラインナップも充実させてお届けいたします。ぜひお問い合わせください。


いいなと思ったら応援しよう!