診療放射線技師・安藤英次先輩に独占インタビュー!②
前回の記事はこちら
東:次に、受賞したから芽生えたこと、それを誰かに伝えていきたいこととか考えることありますか?
安藤:僕のやってきたスタンスは間違ってなかったなと。今後もそれを続けるというところかな。
もともと撮影法とかはファントームの撮影理論で撮影学といえば中心点とその部分だけ写すという教科書が多い。
僕自身はやっぱり立位撮影。荷重関節やのに寝て撮るとか信じられへんし、高齢化社会では人工関節は増えるしな。
人工関節って、撮影はしてるけどどんなもんか知らん、医師がどう診断してるか知らんという人が多い。
東:確かに術後の撮影でも人工関節が切れることなく撮影範囲に入ってればOKなんて感じに思っている人もいてるかもですね。
安藤:そうそう。写ってたらええっていう。でも僕はものすごく罪なことやと思う。
人間の膝関節の形態が内果と外果は違うし、その特徴を知らずにX線撮影の再撮影での修正ができるのか?逆に人工膝関節(TKA)に関しては、大腿骨の両果部が同じ形に作られているからX線画像の特徴が少ない。撮影するが実物の人工関節を見たことのなく、その人工関節の機能や構造すら知らない。これら学校で習わないが、技師として少しでも撮影技術を高めることが、患者のためになると僕は思う。求められる画像がわからないままに、再撮影は曖昧で診療放射線技師の罪やと思うから、それなら僕が知ってる知識を教えていかなあかんっていう使命感があってここまでやってきた。
東:今回の賞を取ってというよりは、今まで思っていたことがより強くなった、今までやってきたことが間違ってなかったから今があるし、それを続けて伝えていきたいという感じですよね。
安藤:だから僕はお金じゃなく、伝えることが僕の仕事やなって思ってる。
東:知っている知識を伝える!簡単なようで難しいと思います。
素晴らしいことですね!
安藤:いくつになっても伝えることはできる。その方法として講演。その資料をいろんなところに提供する。
で、もうひとつはやっぱり本やねん。講演しても発表しても残れへんねん。
あとは、教科書を変えたい。高齢社会では、立位撮影や人工関節の撮影依頼が多くなるので技師学生に、新しい撮影法や体位から肢位まで入れて、よそにない教科書を作りたいと思い、作ってる。
東:今回今までされてきたことが評価されて受賞しましたが、まだまだやりたいことがたくさんあって、ここがゴールではなく通過点に過ぎないとお話を聞いてて思いました。
安藤:やっぱり継続は力なりっていうこと。続けてきてよかったなって今回改めて思ったかな。
東:お忙しい中、ありがとうございました。
最後に改めまして、医療功労賞受賞本当におめでとうございます。